いばらき春秋 茨城新聞2013922
「公衆電話はどこにありますか」。駅で尋ねている人がいた。
携帯電話の普及で利用者が減り、撤去される公衆電話が目立つようになって久しい。
街であまり見かけなくなった公衆電話。NTTは今、設置場所をホームページで公開している
都心の駅では切符の自動券売機も減っている。
切符がなくても改札を通過できるSuica(スイカ)といったICカード乗車券が普及し、
切符を買う人が少なくなったからだという。
確かに券売機の前に客の列ができている光景を見ることが少なくなった。
以前、大抵の人は親戚や友人、仕事先など、かなりの数の電話番号を覚えていた。
今は携帯電話に登録しておいて必要な時に呼び出せばいい。
切符を買う時は、まず表示を見て目的地までの運賃を確かめ、現金を数えて券売機に入れ、
出てきた切符が間違いないか確認して改札に向かった
電話をかけたり、切符を買ったりする際、深く考えなくて済むようになった。
便利になったものだと思う。
一方で、ちょっと心配にもなる。
パスカルは「人間は考える葦(あし)である」と言った。
日常生活の中で、頭を使って行動することを怠っているのではないか。
ふと考えてしまう。
























