桑田さんよりコメントが届きました
親愛なる1億3千万人・・・には到底満たぬSASファミリーの皆様!!
大変長らくご無沙汰、及び復帰をお待たせしております、私め、「ふとした病」(談志師匠のパクリ)にて、この夏より皆様に大きなご心配、ご迷惑をお掛けしながらも、その行方をくらましておりました桑田佳祐でございます。
さて、この夏の手術の日からおよそ5ヶ月。世の中が慌ただしくもにぎにぎしく年の瀬を迎えんとする本日12月28日の未明より、各メディアの発表等を御覧になり、さぞかし驚かれた方々もいらっしゃると存じます。(ここで約40秒間深々と礼)
そうであります。早い話が、あの大紅白歌合戦に出演させて頂くことになったのでございます。
かねてよりそのような噂が巷間をにぎわせておりました事は、勿論私も十分承知しておりました。その事を少し詳しく私の口から申し上げれば、さる12月10日にNHK様の方から正式にオファーがございまして、色々と悩んだあげく、「ようし、この折角の有り難きお話に自らの復帰のタイミングとして甘えさせて頂き、この際、他の出演者の方々にも頭を下げつつ、出演させて頂こう!!」と決意致しましたのは、つい先日の、メスの七面鳥を
探しつつ渋谷の街並みをそぞろ歩いていたクリスマス・イブの夜でした。(少し真面目にやれよ!)
それまでの間は、やはり非常に有り難きお話とは言え、迷っておりました。理由はただひとつ、体調が当日までに順調に回復し、私自身も自信が持てるようになれるかどうか・・・という事です。しかし、その辺りはNHKの方々も、うちのスタッフも実に辛抱強く、温かく、私の気持ちや体調の推移などを十分に察して頂き、最終結論に到る日程は、なるべく“長くゆる~く”伸ばし伸ばしにして下さったのです。
お陰様でこの度ニューアルバムも完成し、来年の復帰に向けて少しずつ歌を歌ったり、楽器を鳴らしたりといった仕事をこなしつつおりましたので、何も「病床に伏してしる・・・」といった体(てい)ではございませんが、やはり最初にオファーを頂いた時点では、時期尚早?・・・・う~ん、一週間後、二週間後の体調の細かな機微にも不安はつきまといまして、日程的にもなかなか確約がとれない、といった部分が辛く不安なところでありました。
しかし、その後、徐々にですが、いい形で体調も回復し、主治医の先生のお墨付きも頂き、晴れて自らの意を決するに至りました事を、ここにご報告させて頂きます。
色々と皆様には、多大なる御心配等をお掛け致しました。ツアーもキャンセル、レコーディング中のアルバムも発売延期という事にも、止む無くなってしまい、申し訳ございませんでした。
振り返ると、私にとってこの2010年という年とは、とても酷い(ひどい)年だったのか?!・・・否!!こう言うと少し気障(きざ)なようですが、今の私には全くそのようには感じられないのです。勿論、病の発覚直後は深く落ち込みました。しかし、思えば今回のこの事によって、お医者様を始め病院のスタッフの方々など、非常に多くの素晴らしい人達に出逢い、命を救われ、また旧知の仲間達や周りのスタッフが、いかに自分を大切に思ってくれているのかを実感出来、家族との絆、とりわけ妻の思いやりと身体を張った私へのサポートを受け、更にこんな時も一番有難いのは、やはり全国のファンの方々から頂いた温かく力強いメッセージや、お心のこもった励ましやご声援の数々が最良の治療薬となった事は言うまでもありません。ですから、今年私の身に起きた事に関しては、お陰様で私自身は、これでまた大きく飛躍出来たと思いたいですし、本当に幸せな人生を与えられたと確信するに至りました。
改めてファンの皆様には感謝以外の言葉はございません。また、様々な病と闘う方々のお気持ちも以前より少しは分かるようになったというか・・・?ピンチはチャンスに置き換えて考えられるという事も、何となく学んだ気が致します。(ホントかぁ~?)
ご存知のように、所詮私は出たがりのオッチョコチョイの性分であり、皆様から「どうぞごゆっくり」とか「気が済むまでじっくり治して」などと言って頂きつつも、一日も早く皆様の前でハシャいでみたがる節操なしの男です。そんな私が、さて満を持して、これまで背中を押して頂き、支えて頂いた多くの方々に感謝の気持ちを込めて、この偉大なる大紅白に参戦させて頂く事を決意した訳でございます。
もう一つの理由は、一体何をもって、何時をもって復帰のタイミングとするのかというのを、考えれば考えるほど、また時間が経てば経つ程、私の肩に重くのしかかって参りましたため、そんなところに頂いた有り難きお話に、私は「喜び、謹んで」かの番組の片隅をお借りして、この「佳き年」2010年の皆様への御挨拶とかえさせて頂きたく存じたのでございます。
(ところで何歌おうかな?!新曲の「お手洗いの天使達」でもいいのかな?!遠いところの親戚も、お世話になった方々も、昔の幼なじみも、みんな喜んでくれるだろうか?!)そして願わくば、来年が皆様にとっても素晴らしい年となりますよう祈念しつつ、大変長くなりましたが、近くお目にかかれる事を心より楽しみにしております。皆様もどうか寒さ厳しき折、お身体ご自愛下さいますよう!!それでは、失礼致します。
追伸 何だかんだ言って、病気するって色々大変なのヨー。そのへんの詳しい話は、その次の日の元旦の夜のラジオで生で話しますから。
桑田 佳祐
明日のスポニチ朝刊に掲載されるのでしょうねー