3月30日 常陽新聞と読売新聞から
震度6強で倒壊の危険性 取手市議会棟駐車場使用禁止に
「立入禁止」の張り紙が掲げられた取手市役所議会棟の駐車場 取手市庁舎に隣接する議会棟が震度6強以上の大規模地震で倒壊する危険性が高いことが分かり、市は29日、議会棟下の駐車場への立ち入りを禁止した。市庁舎も大規模地震で倒壊の可能性があるため、市は近く耐震対策の具体的な検討を始める。藤井信吾市長が同日の定例会見で発表した。
市によると、昨年6月から今年3月にかけて市庁舎と議会棟、吉田消防署の耐震診断を行った。その結果、議会棟は強度の判断基準となる「Is値」(構造耐震指標)が、「大地震で倒壊の危険性大」(0・3未満)にあたる0・16だった。市庁舎は0・42、吉田消防署は0・45で、「倒壊の可能性がある」(0・3~0・6未満)と判断された。
耐震診断を依頼した三重県建築士事務所協会などの試算では、設計費などを含めた耐震補強の費用は、議会棟と市庁舎が計1億8000万円、吉田消防署が2385万円。市公共施設整備課は「来月にも耐震補強検討委員会を開き、対策を考えたい」としている。
議会棟は鉄筋コンクリート造り2階建てで、延べ床面積約2000平方メートル。1970年に建てられ、1階の一部を駐車場として使用している。市庁舎は70~74年に完成し、4階建てで同5565平方メートル。
市は耐震基準が強化された81年以前に完成した公共施設のうち、学校施設を除いた55棟の耐震化率を2015年度までに90%にする計画だが、今年度にようやく市庁舎など3施設の耐震診断を終えたばかりだ。