つくばの観測鉄塔、消える 気象研究所で35年の歴史
解体される方針が決まった気象庁気象研究所の「気象観測用鉄塔」=12日、茨城県つくば市 筑波研究学園都市(茨城県つくば市)にそびえる気象庁気象研究所の高さ213メートルの「気象観測用鉄塔」が、夏までに解体される方針が決まった。新しい観測技術確立で役割を終え、35年の歴史に幕を下ろす。
鉄塔は昭和50年完成。地表との摩擦で風が乱れる構造や大気と地表との熱交換などを調べるため、気温や湿度、風向・風速などを測定。台風の中心付近で、上空の強い気流が積乱雲の下降気流で地上へ運ばれ、局地的な強風が吹く構造などを突き止めた実績がある。
地上からの電波で上空の風向や風速を測るなどの技術確立に伴い、昨年1月で観測を取りやめていた。
つくば市ではランドマーク的存在。タクシー運転手、寺田博さん(53)は「夜は航空障害灯がぴかぴか光って目印になる。東京タワーがなくなるほど大げさな話ではないが、解体は寂しい」と話した。
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