「かぐら」の歌、全国に 茨城発デュオ、メジャーデビュー ~茨城新聞100522~
結成10年「地元に恩返し」
県内を中心にインディーズシーンで活躍してきた、関隆浩さん(石岡市出身)と飯嶋康平さん(土浦市出身)の男性デュオ「かぐら」が結成10年目にしてメジャーデビューを果たした。今年6月にアルバム2枚を同時発売し、今月8日には東京・渋谷でデビューライブを行った。茨城を大事にする2人の懐かしさを誘うメロディーラインと繊細な歌詞が、全国に向けて発信される。
「かぐら」は2000年、アルバイト先で出会った関さんと飯嶋さんが意気投合し結成。JR土浦駅西口などでのストリートライブで腕を磨いてきた。
ツインボーカルで関さんがギターを、飯嶋さんがピアノをそれぞれ担当。特徴は2人とも横笛に堪能なこと。「親に連れられおはやしに行っていた」(関さん)「今でも時間があればおはやしをやっている」(飯嶋さん)と、地元の祭りで吹いてきた横笛を楽曲に組み入れ、新境地を開拓した。
09年にはメジャーオーディションで楽曲賞を受賞。これをきっかけに芸能事務所「シンクバンク」が立ち上げた「シンクバンクレコーズ」と契約。同社の第1号所属アーティストとして、今年6月にアルバム「『かぐら』と申します。」「雨の三部作」を2枚同時リリースした。
2人を見いだした同社の清水美治社長は「昔懐かしい温かい感じがして、心癒やされる音楽」と、メロディーラインと繊細な歌詞を評価する。
今月8日には、東京・渋谷に110人を集めてデビューライブが行われた。代表曲「線香花火」や「アンブレラ」などアルバム収録曲と新曲を披露。アンコール2曲を含む計10曲を演じきった。MC(曲の合間の話)では繊細な曲調を良い意味で裏切る、茨城弁丸出しの2人の掛け合いで会場を盛り上げた。
飯嶋さんは「東京の雑踏の中では自分たちの音は生まれない」と今後も“茨城発”を大事にしていく考え。
関さんも「10年やってきて地元でお世話になった人がたくさんいるので恩返しできれば。茨城が盛り上がったらうれしい」と語る。