常磐線が2013年に東京駅まで延伸

いばらき春秋 ~茨城新聞 20100823~
 
常磐線が全線開通したのは、1898年の8月23日だった。当時の始発駅は田端だったが、数年後に上野に変わり、現在の常磐線の原形が整った
それから1世紀余り。本県を南北に貫く常磐線は、首都東京と本県を結ぶ大動脈として県勢の発展を支えてきた。いまでこそ車に押され気味だが、本県交通のシンボルであることに変わりはない
「ふるさとの なまりなつかし 停車場の 人ごみの中に そを聴きに行く」と詠んだのは石川啄木だった。ここでいう停車場は上野駅とされる。岩手県出身の啄木が、故郷と結ばれる上野駅に古里の言葉を聞きに行ったという有名な一首だ
確かに、東北の玄関口である上野駅には各地の古里なまりが飛び交う。常磐線ホームもしかり。山手線から常磐線に乗り継ぐと茨城弁が耳に入り、何となくほっとする経験をお持ちの方は多いのでは
その常磐線が2013年に東京駅まで延伸される。全列車の乗り入れとまではいかないようだが、東京通勤者にとって長年の悲願が実を結ぶことになる
常磐線に新たな歴史の1ページが刻まれる。上野駅が通過駅の一つになってしまうのはちょっと寂しいが。

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