シルバー川柳

いばらき春秋 ~茨城新聞 100921~

「オーイお茶ハーイと缶が転がされ」。全国有料老人ホーム協会が公募したシルバー川柳の入選20作品に入った城里町の山本隆荘さん(71)の一句だ

小紙「茨城川柳」選者の河野香苑さん流に寸評を加えるなら、「転がしてもらえるだけありがたかっぺ」あたりか。夫唱婦随だった夫婦の力関係が歳月とともに薄れ、「婦唱夫随」に逆転した茶の間の風景が垣間見えて、笑える

長年連れ添った夫婦の日常の一場面を軽妙洒脱(しゃだつ)に切り取った句は多い。「不満なら犬に言うなよオレに言え」「厚化粧笑う亭主は薄毛症」には思わず苦笑してしまう

「『アーンして』むかしラブラブいま介護」は笑えそうで笑えない。長寿社会の悲しい現実を浮き彫りにした、さらに深刻な句も目立つ。「さびしくて振り込め犯と長電話」には背筋が寒くなる

「老後にと汗した家で一人棲(す)む」もつらく切ない世相の断面が浮かぶ。こうした現実に対処するはずの政府の無策を皮肉った句もある。「長生きをするなと政府に仕分けされ」。政治の使命は重い

昨日は敬老の日。地域や家庭で祝賀の催しが開かれたことだろう。高齢者の皆さん、いつまでもお元気で。

 

 

1日遅れの我が家の敬老パーティーです^ ^*

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