耕作放棄地が野鳥の森に 守谷

市民ら手作業、8年かけ里道復元  ~常陽新聞101006~

耕作放棄地となり荒れ果てた守谷市本町の市立愛宕中学校脇の湿地約10㌶が、8年かけて市民や小中学生の手で散策路や木道が整備され、「守谷野鳥の森」として生まれ変わった。9月15日には、森を管理し自然環境を守る「野鳥の森を育てる会」(会長・倉持晃治市観光協会会長、会員約70人)が発足。発足を記念して5日、同中で、オカリナやブラスバンド演奏による記念コンサートが開かれた。  

民有地でもともと雑木林に囲まれた谷津田だったが、十数年間、耕されず荒れ地となっていた。一方、森は野鳥の宝庫で、オオタカが飛来するほか、コジュケイ、ウグイス、カワセミなど100種類以上が生息する。

2005年のつくばエクスプレス開業を控え、市内でも沿線開発が進む中、このままでは不法投棄のごみ捨て場になりかねないと心配した市職員と市民計7人が、荒れ地に散策路を整備しエコミュージアムにしたいと「守谷にエコミュージアムをつくる会」を結成し、02年から、現在廃道になった里道(旧町道)231㍍を整備し復元したのがきっかけ。

倒木をどかし、里道を覆っていたクマザサを手作業で刈り取った。近隣の守谷小学校5、6年生と愛宕中学校生徒約250人も、不法投棄されたごみを拾い集めるなどした。

里道の復元はその後も続けられ、現在まで8年間で4本計900㍍が復元した。中古の発泡スチロール箱と天板を使って、湿地を散策する木道も整備した。

毎年5月から10月まで月1回、ボランティアの市民らが、復元した散策路の草刈りを続けている。愛宕中は生徒全員が参加する「野鳥の森少年団」を設立し、年末のごみ拾いなどに毎年参加する。

今年4月までに4本の里道が復元されたことから、散策路を永続的に管理するため、エコミュージアムをつくる会と市観光協会、愛宕中の同少年団らが「野鳥の森を育てる会」を設立した。今後さらに300㍍の里道を復元する計画だ。

5日のコンサートは地権者や近隣住民などを招待して開催された。これまでの8年間の活動の成果を報告したほか、森をイメージしたオカリナ演奏や同中吹奏楽部による演奏などが催された。

Leave a Reply