里山の保全活動が未来遺産に登録

県内初、「宍塚の自然と歴史の会」  ~101202常陽新聞~
 
認定NPO法人「宍塚の自然と歴史の会」(及川ひろみ理事長、つくば市上ノ室)が取り組む、土浦市宍塚の里山の保全活動が1日、日本ユネスコ協会連盟の「プロジェクト未来遺産」に登録が決定した。県内初。

プロジェクト未来遺産は、地域文化・自然遺産を未来へと守り伝える運動の一つで、昨年からスタートした。登録により、同連盟から助成金や広報の協力などが受けられ、また「ユネスコ活動に関する法律」(1957年公布)により、国や地方自治体の協力・援助の充実が期待される。

今年は、25都道府県39プロジェクトから、西村幸人東京大教授が委員長を務める選定委員会が、「生物多様性の保全」「危機に直面する遺産の保存」などの観点から選定をした。今回の登録分を含め、20プロジェクトが選ばれている。

同市宍塚には、宍塚大池を囲むように草原、田んぼや畑、小川や湿地など約100㌶ほどの里山が広がる。同会では、耕作放棄された水田のビオトープ管理作業や、生物多様性の保全のための「ため池再生事業」、里山の伝承文化を守るための調査や、子どもたちを対象とした観察会など、幅広い活動を展開している。

及川さんは「保全活動のモデル性、持続可能性、公益性などが評価されたのでは」と話す。「里山の価値が明らかになった。これからも、生物多様性の保全というテーマからぶれずに、みんなと一緒に活動をしていきたい」と喜びを話した。

同会は1989年に発足、2003年にNPO法人、今年、認定NPO法人を取得した。会員は約560人。

常陽新聞101202

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