ツバメへの思い ~毎日新聞20110508 女の気持ち~
今年も我が家にツバメがやってきました。カップルと思われる2羽です。早朝、草花に水やりをしていると、「今年もおじゃまします、よろしくね」とでも言いたげに、目の前を低空飛行して、軒下に入りました。
そして、昨年残した巣が使えるかどうかチェックが始まりました。その様子の可愛らしいこと。巣の縁に止まり、首をかしげたり奥をのぞき込んだりします。ひとしきりさえずって、相方に何か伝えている様子です。
しばらくして、「OK」とでも言っているように大きな鳴き声を出し、サーッと緩やかに青空に舞い上がっていきました。
昨年は6羽ほど卵からかえったのに、1羽が巣から落ちて死んでしまいました。ひなが成長し、南に渡る時も、弱い鳥は目的地にたどり着けないそうです。
でも、そうした自然の厳しい営みの中で、ひたすら一つのことにエネルギーを注ぎ込む、けなげな姿に心が動かされます。
今年のようにつらいことがあっても桜は美しく咲き、渡り鳥が飛来し、田んぼでカエルが鳴く。美しい田園風景が日本にはまだあるのです。生き物と人間が共存することで、安らぎや幸福感が持続できるのです。
夜が明る過ぎるのは、生き物にとって、良いことではありません。周囲に便利なものがこれ以上増えないようにと願っています。そして、ツバメへの思いも今年は特別です。
先日からツバメが家の周りを飛び回っています
・・・が、いつもの場所に巣をかけようとしません
「危険区域」になったのかしら?