近頃若者の結核が増えているそうです
看護師ら14人がとりで医療センターなどで集団結核 ~常陽新聞20110726~
県保健予防課とJAとりで総合医療センター(旧・取手協同病院)は25日、同センターの看護師のほか、県内の社会福祉施設職員ら計14人が感染し、そのうち2人が発病する結核の集団感染が発生したと発表した。いずれも症状はなく、結核菌を排菌している発病者もいないことから、感染がさらに拡大することはないという。結核とは別の症状で同センターに入院した80代の女性から感染した。女性は、せきなど結核特有の症状が出にくい高齢者だったことから、結核と診断されるまでの10日間で看護師らに感染した。
同センターによると、女性は、4月15日夜間、尿路感染と発熱の症状で救急外来を受診し、そのまま泌尿器科に入院した。しかし治療しても症状が改善しなかったことから、10日後の26日、胸部CT検査を実施したところ肺結核が疑われる結果が出たため個室に隔離した。その後の検査で28日、結核だと判明し、女性は30日、別の結核専門病院に転院した。
入院してから結核と分かるまでの10日間、女性は泌尿器科・皮膚科・耳鼻科の混合病棟の5人部屋に入院していたことから、同センターは同室の患者4人と、女性に接触した医師や看護師など41人の計45人を対象に検査を実施。潜伏期間を過ぎて感染の有無が確認できる約2カ月後の7月11日、混合病棟で女性と接触した20代~50代の看護師などの男女6人が感染し、うち1人が発病していることが分かり、6人に対し投薬治療を始めた。
6人はいずれも症状はなく、感染しただけの5人は現在、投薬を受けながら勤務を続けている。一方発病した30代の女性は念のため2週間勤務を休み、現在、在宅治療をしているという。同室の患者に感染は無かった。
同センターは今後さらに、女性が入院していた4月中旬から下旬に同病棟に入院していた患者78人全員と同病棟に出入りしていた医療関係者、出入り業者など50人の計128人を対象に検査を実施する。
一方、竜ケ崎保健所が女性の家族と、女性が利用していた県内の社会福祉施設2カ所を調査したところ、家族のうち2人が感染し、そのうち1人が発病していることが分かった。福祉施設は2カ所のうち1カ所で、職員6人が感染していることが判明した。感染時期はいずれも、とりで医療センターに入院する前とみられるが、女性にはせきなどの症状が無かったため、いつ感染したかは特定できないという。もう1カ所の福祉施設には感染者は無かった。
女性が症状が出にくい高齢者だったことを受けて、同医療センターの新谷周三院長は今後の対策として、入院時に発熱がある65歳以上の高齢者の場合、せきやたんなどの症状が無くても原則として胸部レントゲン撮影を実施したいとしている。
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