うつくしま福島 毎日新聞女の気持より

うつくしま福島 千葉県柏市・吉田広美(パート・55歳)

東日本大震災に見舞われた今年も今日で最後。被災地の皆さんのご苦労を思うと、胸が痛みます。私たちが今まで通り、ありふれた日常を暮らせることに感謝しつつも、申し訳ないような複雑な気持ちです。
福島県田村市に住んでいた娘は震災直後、幼子3人と我が家に避難してきました。その後、千葉県柏市が放射線のホットスポットとして騒がれることなど、夢にも思いませんでした。
ありがたいことに、娘の住んでいた所は、福島第1原発から30キロ以上離れていました。東側に高い山々があったおかげで、どうにか暮らせるため、新学期が始まった4月、自宅に戻りました。
政府や東京電力の対応は後手に回り、情報も疑わしい限りです。そんな中で、見えない放射線の恐怖と闘いながらの子育ての不安は、いかばかりかと思います。
それでもなお、私は信じています。何年かかっても、日進月歩の医学や科学技術が、放射能と闘えるすべを見つけ出してくれることを。
広島、長崎を経験してきた日本だからこそ、この苦渋に満ちた長い道のりを、再生に向けてきっと歩んでいけると信じています。
同じ痛みを分かち合いながら、福島を見捨てることのないように、心から祈っています。ギリシャ神話に出てくる「パンドラの箱」の底に、最後に残されていたものが希望だったように。
うつくしま・ふくしま、アゲイン。

うつくしま福島

東日本大震災に見舞われた今年も今日で最後。被災地の皆さんのご苦労を思うと、胸が痛みます。私たちが今まで通り、ありふれた日常を暮らせることに感謝しつつも、申し訳ないような複雑な気持ちです。

福島県田村市に住んでいた娘は震災直後、幼子3人と我が家に避難してきました。その後、千葉県柏市が放射線のホットスポットとして騒がれることなど、夢にも思いませんでした。

ありがたいことに、娘の住んでいた所は、福島第1原発から30キロ以上離れていました。東側に高い山々があったおかげで、どうにか暮らせるため、新学期が始まった4月、自宅に戻りました。

政府や東京電力の対応は後手に回り、情報も疑わしい限りです。そんな中で、見えない放射線の恐怖と闘いながらの子育ての不安は、いかばかりかと思います。

それでもなお、私は信じています。何年かかっても、日進月歩の医学や科学技術が、放射能と闘えるすべを見つけ出してくれることを。

広島、長崎を経験してきた日本だからこそ、この苦渋に満ちた長い道のりを、再生に向けてきっと歩んでいけると信じています。

同じ痛みを分かち合いながら、福島を見捨てることのないように、心から祈っています。ギリシャ神話に出てくる「パンドラの箱」の底に、最後に残されていたものが希望だったように。

うつくしま・ふくしま、アゲイン。

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