毎日新聞女の気持

第一歩 東京都大田区・鳥居光代(小学校非常勤講師・65歳)
「65歳ですが、ボランティアに行っても迷惑になりませんか」。恐る恐る聞いてみると「年齢相応に動ける仕事がたくさんあります」との返事。
東日本大震災後、私には義援金を出すことしかできないのかと疑問を持ち続けていたので、思い切って被災地への新幹線ツアーに申し込んだ。そして先月、ボランティアへの第一歩を踏み出した。
40人の集団で、宮城県南三陸町のがれき撤去作業に参加した。泥にまみれた布、乾電池、茶わんのかけら、本、マージャンパイなどが姿を現す。生活が詰まっているがれきを、手作業で掘り出して分別していく。
1時間もすると、がれきの山が高くなり、家が建っていた跡地が奇麗になっていく。
40人の力はすごいなと思うと同時に、周囲に果てしなく広がっている、がれきの野原に目まいがする。
1泊2日のボランティア体験だったが、人のためにやっているというより、自分のためにやっているという感覚になるのはなぜだろう。
作業を終えると、ボランティアセンターの方が「見ての通り、復興などは先の先です。ボランティアの数が急減しています。皆さんが現状を多くの方に伝えてください」と訴えた。
一人の力は小さいけれど、人海戦術に加わるため、2月には気仙沼で第二歩を踏み出します。

第一歩 ~毎日新聞20120119~

「65歳ですが、ボランティアに行っても迷惑になりませんか」。恐る恐る聞いてみると「年齢相応に動ける仕事がたくさんあります」との返事。

東日本大震災後、私には義援金を出すことしかできないのかと疑問を持ち続けていたので、思い切って被災地への新幹線ツアーに申し込んだ。そして先月、ボランティアへの第一歩を踏み出した。

40人の集団で、宮城県南三陸町のがれき撤去作業に参加した。泥にまみれた布、乾電池、茶わんのかけら、本、マージャンパイなどが姿を現す。生活が詰まっているがれきを、手作業で掘り出して分別していく。

1時間もすると、がれきの山が高くなり、家が建っていた跡地が奇麗になっていく。

40人の力はすごいなと思うと同時に、周囲に果てしなく広がっている、がれきの野原に目まいがする。

1泊2日のボランティア体験だったが、人のためにやっているというより、自分のためにやっているという感覚になるのはなぜだろう。

作業を終えると、ボランティアセンターの方が「見ての通り、復興などは先の先です。ボランティアの数が急減しています。皆さんが現状を多くの方に伝えてください」と訴えた。

一人の力は小さいけれど、人海戦術に加わるため、2月には気仙沼で第二歩を踏み出します。

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