毎日新聞今日の「女の気持ち」より

女の気持ち:ありがとう 山形市・金沢三和子(主婦・62歳)
毎日新聞 2012年10月26日 東京朝刊
私は4年前、病気をしました。それまで健康には何の不安もなく、仕事に追われる毎日でした。少し早めに退職して、これからはいっぱい旅行して、趣味を楽しんで、と胸を躍らせていた直後の病気でした。
目の前が真っ暗になるって本当なんですね。退院してから少しの間は、体力が残っていたのですが、その後は起き上がれず、布団の中で一日を過ごしました。1年近く体調が優れず、後ろ向きになって何度、泣いたことでしょう。
でも、少しずつ、力が湧いてきて、散歩に出られるようになりました。お日様のぬくもり、風のさわやかさ、水の音、今まで毎日毎日見ていた風景なのに、なぜか涙がこぼれるほど、幸せに思いました。そっと手をかざして、お日様の暖かさを確かめてみました。
病気をしてから、私は毎日、詩を書いています。詩と言えるかどうかわかりませんが、泣いたこと、不安なこと、散歩して出合った草花のことなどを日記に書いて、私の一日が終わります。
毎日の会話の中に、「ありがとう」が多くなりました。親切にしてもらった時や、心配してもらった時など、心から「ありがとう」を言います。詩や日記の中にも「ありがとう」があふれています。
今も不安は消えませんが、私をいつも見守ってくれる人がそばにたくさんいること、一人じゃないことに、いっぱい感謝して、これからも「ありがとう」を大切にしていきたいと思います。

ありがとう ~毎日新聞 2012年10月26日~

私は4年前、病気をしました。それまで健康には何の不安もなく、仕事に追われる毎日でした。少し早めに退職して、これからはいっぱい旅行して、趣味を楽しんで、と胸を躍らせていた直後の病気でした。

目の前が真っ暗になるって本当なんですね。退院してから少しの間は、体力が残っていたのですが、その後は起き上がれず、布団の中で一日を過ごしました。1年近く体調が優れず、後ろ向きになって何度、泣いたことでしょう。

でも、少しずつ、力が湧いてきて、散歩に出られるようになりました。お日様のぬくもり、風のさわやかさ、水の音、今まで毎日毎日見ていた風景なのに、なぜか涙がこぼれるほど、幸せに思いました。そっと手をかざして、お日様の暖かさを確かめてみました。

病気をしてから、私は毎日、詩を書いています。詩と言えるかどうかわかりませんが、泣いたこと、不安なこと、散歩して出合った草花のことなどを日記に書いて、私の一日が終わります。

毎日の会話の中に、「ありがとう」が多くなりました。親切にしてもらった時や、心配してもらった時など、心から「ありがとう」を言います。詩や日記の中にも「ありがとう」があふれています。

今も不安は消えませんが、私をいつも見守ってくれる人がそばにたくさんいること、一人じゃないことに、いっぱい感謝して、これからも「ありがとう」を大切にしていきたいと思います。

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