今日の女の気持ち

女の気持ち:古希 千葉県柏市・柴沼迪子(無職・70歳)
毎日新聞 2013年01月16日 東京朝刊
「女の気持ち」は朝刊のなかで私の最も好きな欄です。600字の文章に共感したり、励まされたり、時には感動で胸が熱くなります。
私は古希を迎え、気分的に少々老け込んでいました。還暦からの10年の早かったこと。この分では、あっという間に80歳に……。だんだんできることが少なくなるのだろうな。
と、落ち込んでいたところ、目にしたのは、85歳でミシンを買われた田中綾子さん(昨年11月18日)、そして「新しい台所」(12月26日)でキッチンをリフォームされた多田喜美子さん、思い違いからお友達との旅に乗り遅れながら、新幹線、列車を乗り継ぎ、目的地までたどりつかれた「追いかけ」(12月29日)を書かれた92歳の村田百子さん。いずれも、私よりも高齢の人生の先輩方からの投稿でした。
年をとったら、今、この時を大切に楽しんで生きること。そのためには、「もう」や、「今さら」はないことを教えていただき、まだ70歳と思えるようになりました。
古希を機に、遅ればせながら、これからは自分第一に生きていっても、罰はあたらないかな、と思うのです。
5年前、97歳で他界した母の口癖は、「私がパリへ行ったのは75歳の時だったのよ」。そして、「あなたもいつかきっと行きなさいね」と。その時、道連れだった父は80歳でした。
さて、今年はどこへ行きましょう? 何を始めましょうか? ちょっとワクワクしてきました。

女の気持ち:古希 毎日新聞 2013年01月16日

「女の気持ち」は朝刊のなかで私の最も好きな欄です。600字の文章に共感したり、励まされたり、時には感動で胸が熱くなります。

私は古希を迎え、気分的に少々老け込んでいました。還暦からの10年の早かったこと。この分では、あっという間に80歳に……。だんだんできることが少なくなるのだろうな。

と、落ち込んでいたところ、目にしたのは、85歳でミシンを買われた田中綾子さん(昨年11月18日)、そして「新しい台所」(12月26日)でキッチンをリフォームされた多田喜美子さん、思い違いからお友達との旅に乗り遅れながら、新幹線、列車を乗り継ぎ、目的地までたどりつかれた「追いかけ」(12月29日)を書かれた92歳の村田百子さん。いずれも、私よりも高齢の人生の先輩方からの投稿でした。

年をとったら、今、この時を大切に楽しんで生きること。そのためには、「もう」や、「今さら」はないことを教えていただき、まだ70歳と思えるようになりました。

古希を機に、遅ればせながら、これからは自分第一に生きていっても、罰はあたらないかな、と思うのです。

5年前、97歳で他界した母の口癖は、「私がパリへ行ったのは75歳の時だったのよ」。そして、「あなたもいつかきっと行きなさいね」と。その時、道連れだった父は80歳でした。

さて、今年はどこへ行きましょう? 何を始めましょうか? ちょっとワクワクしてきました。

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