女の気持ち 納得の笑顔

女の気持ち 納得の笑顔 毎日新聞 20131229

ママ友とのランチ会。話題は美容のこと、おいしい食べ物のこと、そしてちょっぴり旦那の悪口と育児のこと。教育熱心なママさんやお酒を飲むのが好きなチョイ悪ママさん、笑顔が絶えないおっとりママさん、メンバーは皆普通の人たちで、何も変わったところはない。そう、我が子がダウン症ということ以外は。

今日の話題は自然と例のことに。新しい出生前検査により、陽性反応のほぼ全員が中絶を選んだという、あのことだ。

「私、その人たちを責められないな」。一人のママさんがため息をついた。皆もうんうん、と、うなずいた。

「今、私は息子を産んで本当に良かったと思っている。でもそれは、実際にダウン症の子どもを育てたからそう言えるのであって、妊娠中の、ダウン症について何にも知らない時だったら、もしかしたら中絶を選んでいたかもしれない」。ママ友の中には、羊水検査を受けた人もいる。安心材料が欲しくて軽い気持ちで受けたのだそうだ。しかし、結果は陽性。しかも医師からは遠回しに中絶を勧められたと言う。「1人で電車にも乗れない子を産むのですか」と。

他のママさんは、告知の際に「残念ながらダウン症です」と言われたそうだ。「もう普通の生活は送れない、おしゃれも仕事も諦めなきゃと、絶望したよね」。これにも皆また、うんうんとうなずく。「でも、何も変わらなかった。むしろ以前よりずっと幸せだな」。皆の顔に、納得のほほ笑みが咲いた。

Tags:

Leave a Reply