特養:待機52万人…4年間で23%増 施設不足が歴然

毎日新聞 20140325

厚生労働省は25日、特別養護老人ホーム(特養)に希望しても入れない入所待機者が2013年度は全国で計52万1688人に上ったと発表した。4年前の前回調査(09年度、42万1259人)に比べて23.8%増え、急速に進む高齢化に特養の整備が追いついていない現状が浮かんだ。

特養は有料老人ホームなどより比較的料金が安く、希望者が多い。待機者の中でも他の介護施設には入らず、自宅で特養の空きを待っている人は25万7934人(49.4%)。このうち、介護の必要性が最も高い要介護5と、その次に必要性が高い要介護4の人を合わせた数は8万6051人と3分の1を占め、前回(6万7339人)より3割近く増加した。一方、介護老人保健施設(老健)など他の施設に入所して空きを待っている人は26万3754人(50.6%)だった。

厚労省は15年度から新たに特養に入所できる人を原則、要介護3以上の中・重度者に絞り込む。それでも要介護3以上の待機者は13年度時点で34万4162人で、全体の3分の2に達する。

特養の入所待機者を都道府県別にみると、上位は▽東京都4万3384人▽宮城県3万8885人▽神奈川県2万8536人−−など。しかし、宮城など4県は、1人で複数施設に申し込んだ人を「複数の待機者」と数えており、厚労省は「単純比較はできない」としている。

現在特養は約7900カ所あり、約51万6000人が入所している。【遠藤拓、細川貴代】

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