ローバーズとロージーズ

女の気持ち ローバーズ 毎日新聞 20140424

老婆の漢字からは何を想像するか?

誰しもその文字通りの姿、形を想像するに違いない……ので私は勝手に老婆=ローバー・老爺=ロージーと名付けている。

最近では50年前のローバーズ・ロージーズとは比べ物にならないくらい元気はつらつな方たちが大勢いらっしゃる……。

が、やはり80歳前後ともなれば、皆それなりの不具合を抱えているのは当然というもの。

私の交通手段はもっぱら市電であるが、いつも乗る停留所から終点までは7、8分、この間によくお隣に座った方から話しかけられる。

私はいつも優先席を利用させていただいているので当然、お隣さんもロージーズ・ローバーズだ。

何気ない季節のあいさつから始まり病院、病気、痛いところや夫の有無、親戚縁者、遠くに住む子供たちやご近所さんの話になる。

初めて言葉を交わした方の事情を伺ってもねえ……そんな話を聞いているうち終点に着いてしまう。

すると降り際に、「あなたにコーヒーおごるから一緒にどう?」とか「もし時間があったらぜひ、ご一緒にコーヒー飲みたい」とのお誘いを受けることがある。

誘ってくださる方々はほぼ、私と同年代のローバーズ(老婆たち)だ。

電車で言葉を交わしただけの見ず知らずの私をなぜ、コーヒーに誘ってくださるのかわからない。

今度また、そんなことがあったら少しおっくうだけれど、ご一緒すべきか否かと考えている今日このごろなのです。

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