いばらき春秋

茨城新聞 20191212

中学生になって、小学校まで仲の良かった友人から無視されたり悪口を言われたりするようになった。原因は分からなかった

本年度の全国中学生人権作文コンテスト茨城県大会で最優秀賞に輝いた阿見町立竹来中3年、川又萌永(もえな)さんは自らが受けたいじめ体験を作品にした。タイトルは「ゼロへの一歩」

川又さんはいじめを母親に打ち明け、二つの約束をする。「このような人間関係の悩みや問題が起きた時は母や家族と一緒に問題を解決していこうということ」「自分の胸の痛みを知っているなら、絶対に人の悪口は言わないこと」

約束によって気持ちが変化する。「絶対に味方でいてくれる人がいる。だから大丈夫と思えるようになった」

さらに自分と同じように苦しんでいる人がいたら手を差し伸べたいと決意する。「まずはその人の気持ちを受け止め、できる限りの事をしたい。そしてできればその人と約束を交わしたい。母とした二つの約束を。それが、いじめゼロへの小さな小さな一歩と信じて」

那珂市で7日に開かれた人権週間記念フェスタで、自らの作文を朗読した。力強い訴えに会場は大きな拍手に包まれた。子どもの話に耳を傾け、気持ちを分かち合ったお母さんにも拍手だ。

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