女の気持ち お大切に 

女の気持ち お大切に 

毎日新聞2020年7月28日 

 コロナ禍でオープンカレッジもほかの講座も中止になった。高齢者が感染すると重症化しやすいという。ここは我慢するしかなく、おとなしく家にいる。

 しかし、事態は収まらずに長引き、街に人が戻っている。通勤通学や店舗の営業も再開、外食や買い物をする客でにぎわう地域がある。当たり前のように乗っていた電車に、もう4カ月以上乗っていない私は、街行く人々がちょっとうらやましい。

 そうしたなか、中断されていた講座の最終回を実施するという連絡がきた。大好きな「コラムを書いてみよう」講座である。課題をこなすのも、それを筆記するのも大変だけれど、T先生の講評がうれしく、誤字脱字や的外れなことも恐れず提出していた。

 講評で、自分の言いたかったことや、そのときの思いに気付かされた。T先生の新聞記者時代の話は面白く、社会へのまなざしや本、映画についての話も興味深かった。若いころ夢中になった本の世界がよみがえることもあり、とてもうれしかった。

 それなのに、私は電車に乗る勇気がなく講座を欠席してしまった。後で、先生の健康上の理由で担当はその日が最後だったと知った。出席すればよかったと後悔している。今は先生のご回復を願うばかりだ。

 お会いしたい。ぜひまた、お話を聴きたいです。どうぞお大切に。

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