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常陽新聞

土地利用構想を一般公募―取手

駅北区整事業、「芸術の杜」凍結で
取手市は10日、取手駅西口地区の駅北土地区画整理事業区域(約6・5㌶)の有効活用に向け、地域再生計画「芸術の杜創造プロジェクト」に代わる新たな整備計画を策定する方針を明らかにした。同事業は1992年に都市計画決定されたが、社会経済情勢の変化などを受け、駅東西自由通路整備計画を除いて実質的に凍結状態となっている。市は一般から広くアイデアを募って新構想を策定、中心市街地の活性化などを図る方針だ。

同事業は、1992年に都市計画決定された。93年に着工、2013年度までの予定で事業を進めている。地権者は取手市をはじめ、個人、法人など約70人。

この区域では、地域再生計画「取手芸術の杜創造プロジェクト」として、芸術文化の拠点「芸術館」▽市民の生活交流の拠点「市民情報プラザ」―などの整備が計画されていた。

中央部、西部、北部地区の3ゾーンに区分され、中央部地区はAからCの各街区に分けられる。現計画で中央部地区は既存建築物が位置するA街区(約7400平方㍍)を「商業・業務ゾーン」▽造成中のB街区(約5400平方㍍)を「芸術・文化交流ゾーン」▽一部土地利用が始まるC街区(約3100平方㍍)を「市民生活交流ゾーン」―と位置付けている。

その後、社会経済情勢の変化などもあり、プロジェクトは実質的に凍結状態となっている。市は凍結解除を視野に入れ、来年度、土地利用構想を見直す方針。取手らしい個性ある土地利用構想と実現方策を一般から広く募ることになった。

人口減少や少子高齢化が進み、つくばエクスプレス(TX)の開業による交通機能の分散、商業施設の郊外分散など、市を取り巻く環境が厳しい状態にある中、駅周辺の中心市街地の魅力あるまちづくりに役立てる方針だ。中央部地区のAからC街区の街区構成は、現計画のままとし、「取手らしさの再創」を基本テーマに据える。

応募には①駅北土地区画整理事業の事業効果の早期実現と中心市街地活性化②対象地区の高低差を生かした土地利用③交流人口の拡大や集客性の向上④バリアフリー環境の実現⑤交通広場の機能改善―などの視点が求められる。

応募資格は市内、市外在住問わず、一般個人をはじめ、政治活動や宗教活動、営利活動を目的としない団体やグループなど。応募者は「整備構想」(提案書)と、「整備構想概要書」を提出する。

受け付け期間は来年1月5~15日の予定で、2月に同区域の地権者を含めた審査委員会で審査する。3月上旬に大賞、優秀賞、秀作(各1点)、入選2点を発表する。発表後、パブリックコメントを募集、11年度から受賞作などのアイディアを取り入れた駅前整備構想の策定に着手する方針だ。

問い合わせは、市中心市街地整備課(電話0297・70・1211、ファクス0297・70・1212)まで。

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