朝刊

和と輪の会が壁画制作 ~9月3日毎日朝刊 ~

 ◇全長300メートルの壁画で町おこし
 東京芸大取手キャンパスの学生5人が利根町押付新田の豊田南用水路の壁面にビジュアルアートの壁画を描いている。高さ約1・5メートルの壁面は、長さ約300メートル続く。現在約50メートルが出来上がっており、11月上旬の完成を目指している。同町のボランティアの町おこしグループ「和と輪の会」(二見智子代表、会員20人)が「明るい話題の少ない街を、住民の力で魅力ある街にしたい」と町に住む芸大の卒業生を通じて依頼した。
 テーマは自由で、水色や赤の鮮やかな作品が水田地帯を彩っている。近くの同用水路(長さ400メートル)でも「希望者による自由アート」を企画しており、参加者を募集している。連絡先は同会事務局(0297・79・4720)。【宍戸喜四郎、写真も】

150円で関東一周 ~9月4日産経~

150円で550キロの電車旅-。茨城県取手市に住む60歳から69歳のリタイア組の男性7人が先月末、JR取手駅を起点に関東一円を巡り、たった1日で約550キロを踏破した。随分とぜいたくな旅行に思えるが、実は要した運賃はJRの初乗り料金である150円のみ。それを可能にしたのは、JR料金に設定されている、ある特例制度。参加した人たちは「電車内での出会いや車窓からの景色などが楽しめる」と、すっかりこの少額旅行のとりこになっていた。(石田努)

 少額旅行に挑戦したのは、取手市にある取手セントラルクラブウオーキング部=五十嵐靖代表(69)=のメンバー7人で、岡田好勝さん(64)がリーダーとなって企画した。

 「150円で関東一周」旅行を可能にしたのは、JRの「大都市近郊区間内特例」。この特例を利用すれば、東京や大阪、福岡などの大都市周辺に設定されている大都市近郊区間内なら、重複と途中下車しない限り、普通乗車券や回数乗車券で乗車路線は自由に選べるようになっている。

 決行は8月30日。岡田さんたちはまず、取手駅から上り方面の隣駅である天王台駅までの切符を150円で購入。午前5時49分発の常磐線下り電車に乗って友部駅に向かい、同駅からは水戸線→両毛線→八高線→相模線→東海道本線→横須賀線→総武線→外房線→東金線→成田線と乗り継ぎ、再び常磐線に戻った。

 購入切符の降車駅である天王台駅についたのは午後7時33分。この間はすべて普通列車を利用し、結局、隣の駅まで行くのに13時間44分を要した計算になった。

 「新聞に載ったのを見て、自分たちもやってみようと3年前から始めた」と岡田さん。今回で3回目となるが、参加者の1人、高尾信美さん(64)は「電車の中での出会いが楽しいです」と話す。今回も「水戸線で女性と知り合い、写真を撮ってあげ、住所を交換した」という。

 車内での食事はもちろん駅弁。「大船の鯵弁当が一番おいしかった」と岡田さん。このほか、「高崎だるま弁当」や「千葉どんとちらしまつり寿し」なども楽しんだという。結局、旅費の総額は「電車代も含めて1人2000円弱」(岡田さん)。

 最も大変だったのは乗り継ぎ。天王台まで計13回の乗り継ぎを行ったが、最短は我孫子駅での3分、最長は高崎駅での38分。「この乗り継ぎの際のトイレの問題があるので、女性はお断りしている」という“女人禁制”の旅でもある。

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