今夏から、子どもヘルパー派遣事業 5月18日常陽新聞~
石岡・小美玉・守谷・利根で実施
全国に先駆けて、県が2010年度から進めるいばらき子どもヘルパー派遣事業の実施市町村が決まった。小美玉市など4市町で、夏休みなどを利用した福祉交流活動が展開される。
この事業は、独り暮らしの高齢者や、昼間の独居老人が増加している中、子どもたちがお年寄りの家庭を訪問。家の掃除や話し相手をするなどして、安否確認をしてもらうとともに、子どもたちに福祉の心(いたわりの心)を育んでもらうのがねらい。
学校、地域の自治会などの協力を得て、小学校4~6年生を対象に、石岡、小美玉、守谷市、利根町の4地域でモデル的に実施する。
具体的には、1チーム3~4人の子どもヘルパーが市町村の社会福祉協議会や自治会、ボランティア団体などの関係者と一緒に高齢者宅を訪問。掃除、肩たたき、買い物の手伝いなどをして交流を深め、高齢者福祉施設なども訪問する。
先進地の小美玉市では、既に02年度から全国に先駆けて、中学生の3級ヘルパー受講運動を展開。これが契機となり、全県規模で県民3級ヘルパー(訪問介護員)受講運動が推進されることになった。現在、3級ヘルパーは公式には無いため、本県独自の「県地域介護ヘルパー」養成研修制度が創設されている)。
その受講修了者は、県全体で1万2132人。うち、約20%にあたる2341人が中学生で、子どもヘルパー派遣事業の素地は出来ているといってよい。
今後のスケジュールは、7月ごろ子どもヘルパーの任命式を行い、夏休みを利用して本格活動に入る予定。
県長寿福祉課では、「福祉の心を育む観点だけでなく、子どもヘルパーが地域全体で高齢者を支えるという意識の醸成につながれば」と期待している。