***お疲れ様でした いつも見上げていた鉄塔にエレベーターがあったのですね***
気象観測鉄塔解体 高さ213メートルつくばで30年以上稼働 ~読売新聞101007~
解体工事が始まった気象観測用鉄塔。頂上からクレーンで背丈を低くしていく
つくば市長峰の気象庁気象研究所で5日、213メートルと世界有数の高さを誇る「気象観測用鉄塔」の解体が始まった。市が研究学園都市として開発が進んでいた1975年から稼働し、2008年12月に停止するまで30年以上、風や気温を観測し続けた鉄塔は、自らの観測結果に基づく技術の進歩で使命を終える。
鉄塔は底面が1辺4メートルの正三角形で、高さ10メートル、25メートル、50メートル、100メートル、150メートル、200メートル、頂上の七つの高度に風速や気温、湿度などを観測する測定器が取り付けられている。中心部には3人乗りのエレベーターが設置され、200メートル以上はハシゴを使って上るようになっている。
地表に近い「境界層」と呼ばれる空気の層の研究は、東京タワーやラジオの放送塔などに研究者が測定器を背負って上り、観測するなどしていたが、鉄塔の完成により、隣接する高層気象台が観測する高層気流と合わせ、風の流れが地面との摩擦や熱などで、どう変化するかを安全に研究できるようになった。寒冷前線が通過する際の細かな風の変化の観測などから、大気現象の構造の解明も支えた。
完成した75年は大気汚染が問題になっていた時期で、有害物質の拡散の仕方や光化学スモッグ予報の精度の向上に貢献。80年代後半からは電波や音波を使って離れた場所から風や気温を観測する機器を開発する際、正確に測れているかの実証実験に役立てられた。
現在ではこれらの機器が発達したうえ、鉄塔のエレベーターの保守点検や飛行機警戒用のランプの電気代などで年間800万円以上の経費がかかることから解体が決まった。
解体工事を担当する関東地方整備局によると、鉄塔の頂上から約4メートルごとに47のブロックにクレーンで分け、来年1月下旬までに姿を消す予定。
気象研究所の石原正仁・気象衛星・観測システム研究部長は「鉄塔が出来るまでは境界層の研究は海外の研究を基にするしかなく、この分野の確立には欠かせない物だった。長い間よく頑張ってくれた」と話している。
(2010年10月6日 読売新聞)
雑記帳:後継者難の救世主に 農業ロボット計画着々と ~毎日新聞101008~
無人の田植えロボットが整然と苗を植え付けていく=茨城県つくば市観音台で2010年10月7日、安味伸一撮影 独立行政法人「農業・食品産業技術総合研究機構」(茨城県つくば市)は、田んぼの施肥から収穫までの農作業をこなすロボット群を試作し7日、中央農業総合研究センターで公開した。
ロボットは、GPS(全地球測位システム)やマイコン搭載のトラクターやコンバインで構成。田んぼの中の最適な経路を自ら判断し、黙々と田植えなどに励んだ。
今後は安全性を確保し、北海道大などと共同で水稲や麦、大豆についても実証実験をするという。農家は高齢化と後継者難に悩んでおり、機構は「先端技術で若者参入を」と呼びかける。無人ロボが農業の救世主になる日が来るか。