空からの便り

女の気持ち ~毎日新聞101130~

 朝、ふと庭先を見ると、雨に打たれた風船がありました。手に取ると、中に「おへんじください」と、可愛い文字で書かれた手紙が入っていました。

 初めての経験に高鳴る胸を押さえ、手元にあった絵はがきを出すと、返事が来ました。

 風船は東京・八王子の幼稚園が運動会で飛ばしたものでした。風に乗って、はるばる鎌倉まで飛んできたのです。

 園児たちの寄せ書きと共に、スナップ写真も送られてきて、うれしいやら楽しみやら。鎌倉をよく知っていて、以前からの知り合いのように、返事と共に、絵はがきや来年の江の電のカレンダー、折り紙を送りました。

 するとまた、「ありがとう」と、子どもたちの元気な写真と近況が、担任の先生から送られてきました。孫とまた巡り合ったように、毎日が楽しくなりました。

 年長さんなので、とても上手に字が書けます。つづり込まれた画集を毎日眺めながら、会える日がくるのを楽しみにしています。

 大きく成長した姿を見ることができたらどんなに幸せだろう。静かに暮らす老いた身。楽しい夢を与えてくれた園児たちに感謝しています。

 3通目の便りを先日、投函(とうかん)しました。風船が縁となったつながりが少しでも長く続くよう、私も元気で頑張りたいですね。

 「八王子桑の実幼稚園」の皆さま、大きな夢をありがとう。太くて長い友情が続くよう、少ない年月を楽しみに生きたいと思います。

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