10年度オンブズマン調査 ~茨城新聞20110927~
全国市民オンブズマン連絡会議が公表した2010年度の県内自治体の情報公開度調査で、首長交際費や議会の議事録、開示文書の公開度など9項目を採点した結果、県がトップで、2位以下は取手市、つくばみらい市、龍ケ崎市と続き、最下位は潮来市となった。70点満点で県と32市の平均は35・79点で全国36位。県内25市が全国平均の42・27点を下回った。市民オンブズマンいばらきは「まだ改善の余地あり。せめて全国平均より上を目指して努力を」としている。
調査は、自治体の情報公開制度の充実を狙って1997年に始まり、昨年から全市を対象に加えた。10年度は東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島を除いて行われ、評価項目に「議会の情報公開度」を追加した。
県は、知事交際費の相手情報を昨秋からホームページ(HP)で全面公開するなど、改善が評価され65点。44都道府県の平均63・16点を上回り、都道府県順位は13位だった。
2位の取手市と3位のつくばみらい市は、本会議と全委員会の議事録をHPに掲載し、本会議の映像をインターネットで配信するなど、議会の情報公開度で満点を獲得した。
一方、情報公開条例の使い勝手は全国に比べ、遅れが目立った。「何人も請求可」と明記しているのは県と14市だけで、半数以上の18市は「広義住民のみ請求可」「広義住民以外は理由を書けば可」と制限している。
市民オンブズマンいばらきの石川克子事務局長は「行政にとって都合の悪い情報が開示されない恐れがある。『何人も』と明記すべき」としている。
潮来市は、閲覧1件につき200円の手数料を徴収するなど、情報公開度が低いと評価された。
原則として、首長交際費の相手情報を全面開示しているのは、県と龍ケ崎、笠間、ひたちなか、水戸、坂東の5市、相手情報をHPで全面公開しているのは県と龍ケ崎、笠間の2市だけだった。
議会の議事録をHPで全面公開しているのは、県と上位4市のほか、つくば市と石岡市だった。