低炭素型まちづくり始動 ~常陽新聞20111006~
団地まるごと太陽光発電
つくばエクスプレス(TX)沿線の守谷市松並、工場跡地など約41・8㌶で、低炭素型住宅団地の造成が始まる。住宅約1000戸すべてに太陽光発電装置を設置できるようにし、団地全体で発電し余剰電力を売電するほか、セカンドカー(2台目の自家用車)として電気自動車をカーシェアリングしたり充電する「エコ・ステーション」を整備したり、公園や街路樹の落ち葉を堆肥化して市民農園に供給するなどの構想がある。
住宅団地すべてに太陽光発電システムを装備し、街まるごと発電する構想は、今年5月、神奈川県藤沢市とパナソニックなどが発表し、注目されている。
守谷市松並土地区画整理事業(同組合施行)は、TX守谷駅から北約1㌔に、計画人口約5000人の住宅団地を造成する計画だ。
研磨材製造メーカー「クレトイシ」守谷工場が2008年に撤退後、跡地を三井不動産レジデンシャル(本社・東京都中央区)が購入。同社が、約42㌶のほぼ7割を所有する最大地権者となる。三井不動産はパナソニックの藤沢市スマートタウン構想にも加わっている。
各住宅は、耐久性があり再生可能な部材を使ったり、各戸で削減できた二酸化炭素量を確認できるようにするなどの構想もある。太陽光発電での二酸化炭素排出削減を含めて、各家の建設時から解体までの二酸化炭素の排出・削減収支をマイナスにするLCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)住宅を導入する予定だ。
事業区域内には電柱を設置せず、電線をすべて地中に埋設して美しい景観を保持する。公園の照明や街路灯、防犯灯などもすべてLED(発光ダイオード)とする計画。
区域内のほぼ中央には、江戸時代の松並木約90本が、約400㍍にわたって当時のまま残っているのも特徴だ。守谷藩が1620年に植林した松で、現在は市道となっている。区画整理事業では、幅11㍍の松並木を保存し、公園として再整備する。
総事業費は約129億3000万円。公共減歩率は49・45%。今年2月に都市計画決定され、6月に県から組合設立の認可を受けた。事業期間は今年6月から2016年3月まで。造成工事は年末に着工する予定。入居開始時期などは現時点で未定という 。