高萩にロケ活気戻る 朝ドラ用「焼け野原」も登場 ~茨城新聞20111115~
映画やドラマなどのロケーション(野外撮影)を積極的に誘致している高萩市で、先月から過去最大規模の撮影日程が組まれ、にぎわいを見せている。東日本大震災以降、同市内でのロケは激減したが、震災発生から8カ月が経過し、県内有数の撮影場所として活気を取り戻しつつある。
14日には同市内で、来春始まるNHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」の撮影が行われ、下村梅子役の主演・堀北真希さんらが撮影に臨んだ。
終戦直後の東京の焼け野原を再現したオープンセットが用意され、地元住民を含め約200人のエキストラが参加した。NHKの岩谷可奈子チーフプロデューサーは「こんな広いスペースで焼け跡を撮れるような場所は首都圏でほかにない」と話した。
同市は2005年ごろから、観光客の集客や経済効果を目的としたロケーション誘致に取り組んできた。赤浜海岸や県指定文化財の穂積家住宅など観光施設や工場跡地、廃校などで映画、ドラマ、プロモーションビデオの撮影支援を行った。昨年4月にはフィルムコミッション推進室を立ち上げ、専任職員を配置。昨年度は43本、延べ100日間の撮影日程が組まれ、経済効果は約3千万円に上った。
しかし、震災や東京電力福島第1原発事故の影響で今年4月からの3カ月、ロケは中止。7月ごろから徐々にテレビ局などのロケ地探しが再開され、撮影に使用する施設の安全性確認や放射線量測定などが続けられてきた。
先月は過去最大規模となる4本の撮影が延べ42日間にわたって行われ、今月も引き続き同規模の日程が予定されている。同市の石川行伸企画員は「テレビ局や制作会社とのつながりを活用して、高萩で撮影が行われていることをもっと広く伝えたい」と話した。