井野団地の空き部屋に「サンセルフホテル」オープン

太陽光の蓄電だけで宿泊―取手
団地の空き部屋に「サンセルフホテル」オープン
太陽光パネルで自ら蓄電した電気だけを利用して宿泊する「サンセルフホテル」が13日、取手市井野団地の空き部屋にオープンする。
コミュニティーをテーマにした芸術イベントを国内外で開催している現代芸術家で東京芸大大学院生の北澤潤さん(25)が企画し、同団地住民がホテルマン役となって接待する芸術イベントで、北澤さんは「エネルギーや生活を見直す機会になれば」と話している。
チェックインした後、ホテルマン役の団地住民らと一緒に、太陽光パネルを積んだ手押し台車2台を押しながら近くの史跡をめぐるなど、団地周辺を散策しながら電気をバッテリーに蓄電する。宿泊部屋では、蓄電した電気だけを使って照明をつけ、音楽を聞いたりしながら過ごす。
食事は団地住民らが集会所で調理し、ルームサービスとして部屋に運ぶ。風呂は住民の家で借りるなどする。
北澤さんと、NPO取手アートプロジェクト実施本部、団地住民計約30人が、昨年9月からオープンに向け準備を重ねてきた。
ソーラーパネルとバッテリーをつないで手押し台車に積み込んだり、部屋に付けるカーテンやテーブルクロスを染色したり、電灯のかさや石けん、シャンプーなどを手作りした。団地の子どもたちも参加し、部屋に飾るカレンダーや時計の文字盤を描くなどした。宿泊客に提供する食事のメニューも試作し試食会などを開いた。
13日をスタートに、「サンセルフホテル」のインターネットホームページで随時募集し、年に数回、宿泊客を受け入れる予定。受け入れ時は、団地内の広場上空にLED照明の風船を上げ、太陽光パネルで蓄電した電気を利用して「手づくりの太陽」と称して点灯させる。客自身が太陽光パネルで蓄電した電気だけでは冷暖房をまかなえないため、夏と冬は受け入れができないという。
オープンを前に、3月に都内で開かれたアートイベントで宿泊客を募集した。13日は都内に住む親子連れ3人が空き部屋の5階に宿泊する予定。宿泊客はアートイベント参加費として1組1万円が必要。
取手アートプロジェクトの羽原康江さんは「住民の力があってこそ成立するプロジェクト。高齢化が進む井野団地で、若い世代や定年退職した世代が関わり、発想力や創造力を駆使しながらホテルをつくることを通して、住民自身がコミュニティーをつくることに魅力を感じ、さらに新しい暮らし方の提案ができれば」などと話している。

太陽光の蓄電だけで宿泊 常陽新聞20130412

団地の空き部屋に「サンセルフホテル」オープン

太陽光パネルで自ら蓄電した電気だけを利用して宿泊する「サンセルフホテル」が13日、取手市井野団地の空き部屋にオープンする。

コミュニティーをテーマにした芸術イベントを国内外で開催している現代芸術家で東京芸大大学院生の北澤潤さん(25)が企画し、同団地住民がホテルマン役となって接待する芸術イベントで、北澤さんは「エネルギーや生活を見直す機会になれば」と話している。

チェックインした後、ホテルマン役の団地住民らと一緒に、太陽光パネルを積んだ手押し台車2台を押しながら近くの史跡をめぐるなど、団地周辺を散策しながら電気をバッテリーに蓄電する。宿泊部屋では、蓄電した電気だけを使って照明をつけ、音楽を聞いたりしながら過ごす。

食事は団地住民らが集会所で調理し、ルームサービスとして部屋に運ぶ。風呂は住民の家で借りるなどする。

北澤さんと、NPO取手アートプロジェクト実施本部、団地住民計約30人が、昨年9月からオープンに向け準備を重ねてきた。

ソーラーパネルとバッテリーをつないで手押し台車に積み込んだり、部屋に付けるカーテンやテーブルクロスを染色したり、電灯のかさや石けん、シャンプーなどを手作りした。団地の子どもたちも参加し、部屋に飾るカレンダーや時計の文字盤を描くなどした。宿泊客に提供する食事のメニューも試作し試食会などを開いた。

13日をスタートに、「サンセルフホテル」のインターネットホームページで随時募集し、年に数回、宿泊客を受け入れる予定。受け入れ時は、団地内の広場上空にLED照明の風船を上げ、太陽光パネルで蓄電した電気を利用して「手づくりの太陽」と称して点灯させる。客自身が太陽光パネルで蓄電した電気だけでは冷暖房をまかなえないため、夏と冬は受け入れができないという。

オープンを前に、3月に都内で開かれたアートイベントで宿泊客を募集した。13日は都内に住む親子連れ3人が空き部屋の5階に宿泊する予定。宿泊客はアートイベント参加費として1組1万円が必要。

取手アートプロジェクトの羽原康江さんは「住民の力があってこそ成立するプロジェクト。高齢化が進む井野団地で、若い世代や定年退職した世代が関わり、発想力や創造力を駆使しながらホテルをつくることを通して、住民自身がコミュニティーをつくることに魅力を感じ、さらに新しい暮らし方の提案ができれば」などと話している。

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