関東鉄道常総線開業100年式典

関東鉄道常総線開業100年 TXとの共存図る
住民の足、地域に根
【写真説明】筑波山を背景に、下妻-大宝駅間を走行する常総線=下妻市(関東鉄道提供)
関東鉄道常総線は1913(大正2)年の開業から、1日で100年を迎えた。全線非電化で取手(取手市)-下館(筑西市)駅間を結び、一世紀に渡り沿線住民の足として親しまれてきた。2005年のつくばエクスプレス(TX)開業の影響などで利用客は近年減少傾向だが、年間900万人台の輸送人員数を維持する。同社は3日、同線水海道車両基地(常総市水海道高野町)の公開イベントに合わせ、100周年記念式典を行う。
常総線は、1911(明治44)年7月、吉田茂元首相の実父で常総鉄道(当時)初代社長の竹内綱が発起人となり、取手-下館間の敷設免許を申請。13年11月1日に同区間、14駅で開業。旅客とともに戦前は砂利の運搬なども行い、74年まで貨物を取り扱った。
84年に取手-水海道(常総市)駅間の複線化が完了。沿線人口の増加に伴って駅数を増やし、2011年3月にゆめみ野駅(取手市)を新設し、現在の25駅となった。
■車両の「博物館」
全線非電化の同線は旧国鉄時代の車両を含むディーゼル車両59台を所有し、ほとんどが現在も運行を続ける。新旧さまざまな車両の「博物館」として鉄道ファンにも人気だ。
一時は電化も検討されたが、石岡市の気象庁地磁気観測所への影響が懸念されたことから断念。同社は「今後も電化の可能性は低い」としている。
NHK連続テレビ小説「あまちゃん」の影響などでローカル鉄道が脚光を浴びる中、加茂川洋之鉄道部次長は「非電化の鉄道でこれだけの運行本数と輸送人員があるのは他にない」と強調する。
■TX効果の明暗
同線の2012年度の年間輸送人員は949万2561人。東日本大震災の影響などで過去最低だった11年度の約916万3千人からやや持ち直したが、ピーク時の95年度の約1415万5千人の3分の2に減った。
少子高齢化やマイカー普及に加え、利用減少の要因となったのが、守谷駅(守谷市)で同線と交差するTXの開業。取手駅を経て東京方面に向かっていた乗客の流れが変わり、TX開業初年度05年度の輸送人員は前年度比10%減となった。
一方でTX開業は、水海道駅以北の常総市、下妻市などを首都圏への通勤・通学圏に広げる効果をもたらした。快速列車やパーク&ライドなどTXとの共存を図る取り組みにより、単線区間の水海道-下館駅間の利用客は年々増加している。
100年の節目を迎え、同社は「利便性向上とともに、地域に密着した地方鉄道ならではの特徴を発揮していく」としている。
関東鉄道常総線開業100年 TXとの共存図る 20131102
住民の足、地域に根
関東鉄道常総線は1913(大正2)年の開業から、1日で100年を迎えた。全線非電化で取手(取手市)-下館(筑西市)駅間を結び、一世紀に渡り沿線住民の足として親しまれてきた。2005年のつくばエクスプレス(TX)開業の影響などで利用客は近年減少傾向だが、年間900万人台の輸送人員数を維持する。同社は3日、同線水海道車両基地(常総市水海道高野町)の公開イベントに合わせ、100周年記念式典を行う。
常総線は、1911(明治44)年7月、吉田茂元首相の実父で常総鉄道(当時)初代社長の竹内綱が発起人となり、取手-下館間の敷設免許を申請。13年11月1日に同区間、14駅で開業。旅客とともに戦前は砂利の運搬なども行い、74年まで貨物を取り扱った。
84年に取手-水海道(常総市)駅間の複線化が完了。沿線人口の増加に伴って駅数を増やし、2011年3月にゆめみ野駅(取手市)を新設し、現在の25駅となった。
*車両の「博物館」
全線非電化の同線は旧国鉄時代の車両を含むディーゼル車両59台を所有し、ほとんどが現在も運行を続ける。新旧さまざまな車両の「博物館」として鉄道ファンにも人気だ。
一時は電化も検討されたが、石岡市の気象庁地磁気観測所への影響が懸念されたことから断念。同社は「今後も電化の可能性は低い」としている。
NHK連続テレビ小説「あまちゃん」の影響などでローカル鉄道が脚光を浴びる中、加茂川洋之鉄道部次長は「非電化の鉄道でこれだけの運行本数と輸送人員があるのは他にない」と強調する。
*TX効果の明暗
同線の2012年度の年間輸送人員は949万2561人。東日本大震災の影響などで過去最低だった11年度の約916万3千人からやや持ち直したが、ピーク時の95年度の約1415万5千人の3分の2に減った。
少子高齢化やマイカー普及に加え、利用減少の要因となったのが、守谷駅(守谷市)で同線と交差するTXの開業。取手駅を経て東京方面に向かっていた乗客の流れが変わり、TX開業初年度05年度の輸送人員は前年度比10%減となった。
一方でTX開業は、水海道駅以北の常総市、下妻市などを首都圏への通勤・通学圏に広げる効果をもたらした。快速列車やパーク&ライドなどTXとの共存を図る取り組みにより、単線区間の水海道-下館駅間の利用客は年々増加している。
100年の節目を迎え、同社は「利便性向上とともに、地域に密着した地方鉄道ならではの特徴を発揮していく」としている。

Tags: ,

Leave a Reply