希望新聞 「ねがい桜」プロジェクト

希望新聞 毎日新聞 20131115

東日本大震災 「散らない桜」願い乗せて 作り手と買い手協働岩手・陸前高田の普門寺

岩手県陸前高田市の古刹(こさつ)・普門寺(ふもんじ)の本堂で、古生地で作った桜の花をつるして飾る作業が進んでいる。犠牲者の鎮魂のため、東日本大震災の死者・行方不明者数1万8550人(3月現在)と同じ数を奉納する「二度と散らない『ねがい桜』プロジェクト」。主催者は布提供と桜購入の協力を全国に求めている。

材料は、不要になった着物やじゅばんなどだ。呼び掛けに応じて寄せられた生地を京都市の支援者が花びら形に裁断し、陸前高田や宮城県気仙沼市の被災者に送付。そこで縦、横約10センチ大の「ねがい桜」に縫い、事務局が2個1000円で販売する。購入者はうち1個の中に願いを託した手紙を入れて返送する−−。

売り上げから経費を差し引いた額が作り手に入る。元々は仮設住宅暮らしの励みにとコースターを縫っていたが今夏、プロジェクトを衣替えした。陸前高田商工会の女性部(金野ヨシ子部長)や京都のNPO法人「きものを着る習慣をつくる協議会」(中塚一雄代表)などが共催。事務局の石森治(おさむ)さん(53)は「単なる内職ではなく、慰霊も込めて作り手と買い手が協働することに意味がある」と話す。

最大時で360柱、今も12柱の身元不明遺骨が眠る普門寺では、被災者らが犠牲者の無念を思い、自らの心も慰める五百羅漢石像の制作も進行中だ。「本堂に桜が咲き、大勢の方がお参りに来てくれれば。『支えられている』という安心感は、復興へと進む原動力にもなる」と住職の熊谷光洋さん(61)は話す。

目標に達するには膨大な生地が必要だ。ピンクだけでなく白や黄色も求めている。送付先は〒616−8385 京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3の56の「日本ねがい雛総本家 古都流」(電話075・865・1180)。購入はウェブサイト「被災地の女性手仕事」rikubrand.stores.jp/#toride !/itemsなどで。

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