茨城新聞 デスク日誌

茨城新聞 20140103

動画ニュース 初日の出、名所一番太鼓響く

茨城新聞 デスク日誌

新しい種子生かす年に
午(うま)年となる新年が明けた。駆け抜ける駿馬のような飛躍の年にしたいと願う。

しかし、午は杵(きね)の原字で、上下に交差して餅をつく杵を描いたものだという。

前半が終わり、後半が始まる位置を指すので、昼の12時は「正午」という。

十二支の中間に当たり、植物の成長期が終わって、衰え始めた状態を表しているのが午らしい。

なんだか勢いをそがれる気もするが、未来に向かって、これまでを振り返る年にすればいいのだろう。

人口減少の始まった日本。

右肩上がりの成長が続く事はもうないだろう。

ならば、成熟期を迎えた日本の将来像をじっくり考える年にするべきなのかもしれない。

衰え始めた草木も新しい種子を残しているはず。

その種子をどうやって生かしていくか、少しだけ考えてみたい。(大子常陸大宮支局・津留伸也)

 

 

茨城新聞 いばらき春秋

「正月から大変ですね」。元日。立ち寄ったコンビニエンスストアでレジの店員に声を掛けた。

「いつもご利用ありがとうございます。今年もよろしくお願いいたします」。

丁寧な返事が返ってきた。

働く姿は美しい。

地道に一生懸命生きる人が報われる年になるといい。

新年を迎え、そう思った

食卓に家族がそろい雑煮を食べる。

初詣に出掛け、健康や家内安全を願う。

届いた年賀状を見ながら、友人や知人の近況に思いをめぐらす-。

日常の仕事から解放され、のんびりと正月休みを過ごしている人も多いだろう。

駅伝、サッカー、ラグビー…。スポーツのテレビ観戦も正月の楽しみの一つといえる。

特に県勢の活躍には応援にも力が入る。

きのうの全国高校サッカーは、水戸啓明高がPK戦を制し、3回戦へ駒を進めた。

全国大学ラグビーでは筑波大が早大に敗れ、惜しくも決勝進出はならなかった

今年はロシアのソチで冬季五輪、ブラジルではサッカーW杯が行われるなど大きなスポーツ大会が続く。

新ポスティングシステムを利用して米大リーグへの移籍を目指している田中将大投手の動向も注目だ。

アスリートの躍動に期待が高まる2014年でもある。(柴)

 

 

余録:駅伝は今や正月の風物詩である。元日には… 毎日新聞 20140103

駅伝は今や正月の風物詩である。元日には実業団の全国大会「ニューイヤー駅伝」で、五輪を目指す実力者や勢いのある若手が寒風の中を駆(か)け抜けた。

2、3日は大学生の箱根駅伝だ。テレビの前にくぎ付けの人も少なくないだろう

海外ではほとんど行われないこの競技が、国内でこれほどの人気を集めるのはなぜか。

「寒い冬に汗でにじんだタスキをつなぐ駅伝には観戦者の心をつかむエッセンスがたくさん詰まっている」。

高校、大学時代に駅伝でならした順天堂大陸上部女子監督の鯉川(こいかわ)なつえさんは、本紙への寄稿でそう解説している

確かに、一本のたすきがチームの絆(きずな)になり、一人一人から限界ぎりぎりの頑張りを引き出す。

たすきを手渡したとたん、力尽きて倒れ込む選手の姿はその象徴といえよう。

集団を尊ぶ意識や自己犠牲の精神が、日本人の心の深いところと共振するのかもしれない

レースで大差がつくと、前の走者が中継所に着く前に次の走者がスタートする場合もある。

たすきのリレーが途切れるということだ。渡せなかった無念はいかばかりか。

たすきは世代を超えて先輩から後輩へ、過去から現在へと託(たく)されたものだからこそ重いのだ

私たちは敗戦からの復興、そして高度成長を経た先輩たちから平和と豊かさを受け継いだ。

しかし今、それらが脅(おびや)かされているように思う。

安全保障や外交をめぐる政府・与党の論議は国民の安全を担保できるのか。

アベノミクスは社会的な弱者の暮らしを守れるのか

政権や政策を選ぶのは今を生きる国民である。先人から託されたたすきを次代にリレーする責任をかみしめたい。

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