「意味わかんない」は「語感の違い」

女の気持ち 意味わかんない 毎日新聞 20140216

店員さんの説明がわからない。期待したサービスが受けられないことはわかったが、その仕組みが理解できなかった。

「すみません、意味がわからないのですが」と言ったら、一緒にいた高校生の娘が苦々しい面持ちをしている。娘の言い分はこうだ。

「お店の人を責めても仕方ないよ、意味わからない、だなんて失礼だよ」

うーむ。私としては、責めたつもりも、怒ったつもりもない。極めてノーマルな態度で、自分が理解できないことを、伝えたつもりだった。そこで「意味がわからない」という言い回しについて考え込んでしまった。

どうやら、最近の「意味わかんない」は、「意味不明ー」とともに、従来とはやや異なるニュアンスを含むようだ。「感覚にそぐわない」「ヘンなこと言ってるー」というような、突き放して小バカにする感じ。またさらに「意味がわかんない」の「が」が省略されて「意味わかんない」になると、小バカ度がアップするようでもある。

ああ、言葉って生きているんだなあ、と思った。同じ言葉でも、発する人の世代や関係性によって、そのニュアンスに微妙な差が生じてくるのだろう。

会話の途中で、なぜか不愉快になってきたり、相手が不機嫌になったりするのを感じとることがある。理由がわからないと不安になるものだ。そんな時は「語感の違い」を疑ってみると、いろいろな誤解が解きほぐれていくのかもしれない、などと考えた。

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