日立の大煙突CGで復活 アニメ「いつでも夢を」19日から上映 産経新聞 20140715
日立シビックセンター(日立市幸町)は、昭和中期の同市の風景をコンピューターグラフィックス(CG)で再現したアニメーション「いつでも夢を」を制作した。
アニメでは、建設当時、世界一の156メートルの高さを誇った「日立の大煙突」も復活。
上映は19日からで、センター天球劇場のドーム形スクリーンいっぱいに昭和の街並みを映し出す。
アニメは、少女の目を通して活況に沸いた昭和37年当時の日立市の街並みや、市民の交流などを描いた25分間のセンターのオリジナル。
タイトルは、同市出身で、国民栄誉賞を受賞した作曲家、吉田正さんが作曲した昭和の大ヒット曲から付けた。
テーマ曲として、市少年少女合唱団も作中で歌い上げている。
アニメ制作は、2020年夏季五輪の開催都市が東京に決定したのがきっかけ。
決定を受け、市科学文化情報財団の職員が前回、東京五輪が開催された昭和39年前後を調査していたところ、
多くの中高年の市民から「あのころはよかった」という言葉を聞いたことから制作を思い立った。
今年1月には、財団の若手職員と日立鉱山(現JX日鉱日石金属)、日立製作所の社員らでプロジェクトチームを結成。
鉱山関係者など、当時周辺に住んでいた市民からの聞き取り調査や提供された当時の写真を基にCGを制作した。
CGで再現された日立の大煙突は、日立鉱山で産出した銅の精錬による煙害防止のために同市白銀町の山間に大正3(1914)年に建設された。
新田次郎さんの小説「ある町の高い煙突」にも描かれ、かつては市のシンボルだったが、平成5年に老朽化のため上部3分の2の約100メートルが倒壊している。
アニメでは大煙突とともに、鉱山関係者でにぎわった白銀町の新町商店街や観劇場として人気を博した「共楽館」なども再現。
日立市が「桜の街」となった原点の桜の植林事業なども盛り込んだ。
センター科学館の樫村佳彦さんは「官民一体で作った初の共同アニメ。
当時を知る人には懐かしんでもらい、若い人や子供たちには当時の日立市に興味を持ってもらえるのではないか」と話している。
上映は11月16日まで。入館料は一般520円、小中学生と65歳以上の高齢者、障害者320円。問い合わせは、日立シビックセンター科学館(電)0294・24・7731。