ひと紀行 筑波大付属病院取手地域臨床教育ステーション准教授 篠田雄一さん
毎日新聞 20140822
患者のQOL向上に奮闘−−篠田雄一さん(45)
患者の「生活の質」(QOL)の向上を目指し、リハビリテーションの実践と研究を続けている。
7月、三郷中央総合病院(埼玉県三郷市)リハビリテーション科部長から筑波大付属病院に転身。
取手北相馬保健医療センター医師会病院(取手市)に常勤し、
地元開業医と筑波大付属病院の懸け橋となるべく奮闘する。
過度の緊張で筋肉が固まるボトックス症患者の筋肉を柔らかくする
ボツリヌス療法は200例以上も手がけた。
8年間も左手を動かせなかった男性が同療法で手を動かせるようになり、
QOLが格段に向上したこともある。
「治療の成功と患者さんの満足が一致した。お互いに感激した」。
患者の喜ぶ顔が日々の原動力となっている。
患者を見守りながら、研究にも力を注ぎ、最先端の治験も積極的に現場で取り入れる。
「認知症や糖尿病などを治す薬も開発したい」。
筑波大では山海嘉之教授がロボットスーツ「HAL」を開発。
脳卒中患者のリハビリ効果があるとされ、取手のステーションでも導入予定だ。
「社会医学」「基礎医学」「臨床医学」の3本柱の下、
リハビリに取り組んで患者のQOLを向上させたい考え。
そのためには各分野のスタッフの協力も必要だ。
「みんなで協調して取り組みたい。周りで頑張っている人は全員が師。
研究を続けて、日本の地域医療のモデルを目指したい」【安味伸一】