取手二高 玄関ホールを彩る壁画2面 新校舎
毎日新聞2016年2月4日
県立取手二高(取手市)の新校舎が完成した。ホテルを思わせる開放的な玄関ホールには、多彩な部活動や家政科授業をモチーフにした2面の壁画が対となって向き合う。大理石を使った「翔(しょう)」と「響(きょう)」だ。県から受託した東京芸術大の工藤晴也教授が中心となって製作した。
壁画はそれぞれ縦351センチ、横175センチ。南面の「翔」は野球、バスケット、弓道をはじめ運動系の部活を題材とし、躍動感を表現している。取手市の木・月桂樹を配し、1984年夏の甲子園で優勝した野球部の偉業をたたえる意味も込めた。上部に太陽が輝く。
一方、北面の「響」は家政科での介護実習や織り機を操る生徒の姿、ピアノなどの音楽演奏を題材にした。市の鳥・フクロウも登場させた。上部に三日月をあしらい、「翔」の太陽と対比している。
工藤教授は「『翔』は外へ向かうエネルギーを、『響』は内なる力を意味し、身体と精神が調和した人間像を描いた。夢と希望を持って若い力を伸ばしてほしい」と解説する。
原画は工藤教授が昨年2月に描き、3月から助手らとともに色違いの大理石を切り出して、レリーフ(浮き彫り)とモザイクで製作。昨年12月24日に完成した。