茨城新聞 いばらき春秋 20160729
自民党の谷垣禎一幹事長が趣味のサイクリング中に転倒、頸髄(けいずい)を損傷し手術を受けた。復帰のめどが立たず、内閣改造・党役員人事を控え、永田町に波紋を広げている。
むき出しの体が路面にたたきつけられ、擦り傷程度で済む幸運は少ない。一命を落とすことも後遺症に苦しむこともある。死亡原因は頭部外傷が圧倒的に多い。
道交法は13歳未満のヘルメット着用を保護者の努力義務と定めるが、自転車事故を甘く見ていないか。白色の通学用ヘルメットは、悲しいかな、中学校を卒業すると「ダサい」「髪形が乱れる」とお役御免である。
愛媛県は昨夏、県立高校生の自転車用ヘルメット着用を義務化。流線形のスポーツタイプ3万個を無償配布すると、「かっこいい」と生徒たちに好評を博し、着用率は飛躍的に跳ね上がったという。
ヘルメットはもちろん、交通ルールやマナーの順守が大事なのは当然である。が、自転車は左側通行が原則なのに、通行可の歩道は右側通行もオーケーだったりと案外複雑で、世間の認識にばらつきがある。
自転車に乗って「ポケモンGO(ゴー)」をしていた取手市の男性が転倒し救急搬送された。