三笠宮さま逝去 99年取手訪れ芸大視察 アート楽しまれる
茨城新聞 20161028
昭和天皇の末弟で、天皇陛下の叔父に当たる三笠宮さまが27日午前8時34分、入院先の東京都中央区の聖路加国際病院で心不全のため亡くなられた。名前は崇仁(たかひと)。宮内庁によると、信頼できる記録上、皇族では最長寿の100歳だった。皇位継承資格がある皇族は皇太子さま、秋篠宮さま、悠仁(ひさひと)さま、常陸宮さまの4人に減った。
三笠宮さまは、東京芸術大の客員教授を務めていたことから、1999年12月、同大のキャンパスがある取手市を訪れ、市内で開かれていた「取手・リ・サイクリングアートプロジェクト」を視察された。
当時、市長だった大橋幸雄さん(88)は「東京で何度かお会いし、『ぜひ取手にもお出ましになって下さい』とお話をしたところ、少人数のお忍びという形でいらっしゃった。ご案内した芸大の一部屋一部屋を丹念に視察なさっていた」と語った。
取手アートプロジェクトの小林えつさん(71)は「取手駅東口に車2台でいらっしゃったと記憶している。イベントでは、現代美術家の木村崇人さんの作品などを楽しまれていたと聞いた。非常ににこやかな方だった」と振り返った。
三笠宮さまは視察のほか、市役所敷地内で桜の木を記念植樹されたという。この桜はその後、同市長兵衛新田の市立かたらいの郷敷地内に移植された。