茨城新聞20170201 いばらき春秋
土曜夜のNHK「ブラタモリ」は、タレントのタモリさんが、日本各地をぶらぶら歩きながら土地の起伏や地形の変化にも着目し、その街の変遷や歴史に迫る人気番組だ
先週の放送は水戸が舞台となった。水戸城の薬医門や堀の痕跡、笠原水源、弘道館、偕楽園などを巡った。水戸市教育委員会の職員と茨城大の教授2人が案内役として出演した。
番組では、江戸と水戸の両方で家臣と家族が生活し財政が苦しかった水戸藩の事情を紹介。自然の谷を利用して堀を造ったり、湧き水を活用し地元で採掘した石を使った地中の水路で城下町へ水を引いたりと、水戸藩の事業に「あるものを最大限に活用する」精神が貫かれていることが解き明かされた。
徳川光圀が大日本史編さんのため、全国に水戸藩士を派遣したことが、「水戸黄門」が諸国を漫遊するドラマのもとになったとの解説もあった。
番組を通して自分が暮らしている街の成り立ちの経緯を再認識した。先人たちの残した歴史遺産の意義を知ったり、伝統や文化を理解したりすることは街への愛着を深めるようだ。
きょうから2月。まだ寒さは厳しい時季だが、日ごとに昼の時間が延び、日差しは明るさを増す。街歩きに適した春が近づいている。