取手の最上君 札幌から移住「夢は横綱」12歳 式秀部屋で稽古 

「夢は横綱」12歳 式秀部屋で稽古 取手の最上君 札幌から移住

茨城新聞 20140915

大相撲入りを目指し、小学6年生が相撲部屋で稽古を積んでいる。取手市在住の最上健隆(もがみけんりゅう)君(12)だ。強くなりたい一心で札幌市から引っ越し、龍ケ崎市の式秀部屋に通う。6月のわんぱく相撲茨城ブロック大会や、7月の県少年相撲大会で優勝するなど、めきめきと力を付けており、「夢は横綱」と意欲を見せる。

「健隆、行くぞ」「はい!」

早朝の式秀部屋に、威勢のいい声が響く。力士に臆することなく、最上君がぶつかっていく。170センチ、94キロの体格は、大人たちに交じっても決して見劣りしない。

相撲を始めたのは小学4年生の時。札幌市東区で行われた相撲大会に、当時通った小学校の教頭が「体が大きいから」とエントリーしたことがきっかけだった。大会では見事優勝。その後、地元の少年団に入団した。

転機が訪れたのは2016年11月、父隆さん(49)が関東で働くことになり、最上君は「よりレベルの高い所で練習したい」と、一緒について行くことを希望。結局、一家で関東へ移住した。

転居とともに、連絡先を知っていた式秀親方(元幕内北桜)に電話し、部屋に通うようになった。現在は週末を中心に部屋で稽古を積む。夏休み期間中は「ほとんど毎日」通った。

目標は横綱白鵬関。「速攻で勝負を決めるところがすごい。同じ右四つなので参考にしている」と話す。

式秀親方は「何より心がいい。稽古が一番だと考えている。言われたことも素直に受け入れる」と絶賛。「相撲に対する情熱が最高の才能。将来は指導者にもなれる器」と大きな期待を寄せる。

県内外の有力校から誘いを受ける中、胸の内では、地元の中学校に進み、卒業後は式秀部屋に入門すると決めているという。「中学校で個人タイトルを取った上で入門したい。関取になって、式秀部屋に恩返しする」。横綱稀勢の里関、大関高安関に続く、茨城ゆかりのスター力士誕生に期待が高まる。

Tags: ,

Leave a Reply