医科コース 江戸川学園取手高 医師の“心構え”育む
茨城新聞 2018年6月29日(金)
皆さんはどんな夢を持っていますか。例えば将来就きたい職業。「○○になる」と決めている人は、まだ少ないと思います。実は、江戸川学園取手高(取手市)には「医科コース」があります。そう、「医師になる!」と決めた子どもたちのためのクラス。学校によると、茨城の医療現場で活躍する卒業生も少なくないそうです。
テレビではよく、医師が主人公のドラマをやっていますね。必ず出るのが手術のシーン。だから授業でも手術の練習をしているのでは、などと想像してしまいますが、そうではありません。「正しい倫理観を持つ医者であれ」。その意識を持たせることが重要と同校は言います。倫理観を持つとは「医者である前に科学者として、いろいろな角度から物を見られる人間になること」だそうです。
このことから、医科コースの授業は実に多彩です。いま注目のiPS細胞による再生医療などを考える「メディカルサイエンス」、現役医師が医療現場について語る「医科講話」、自らが先生となり小学生に科学の面白さを伝える「アフタースクール」、介護老人保健施設でお年寄りと対話する「福祉ボランティア活動」などさまざま。
大学の医学部へ進学すれば、それこそ手術など高度な技術の習得が待ち受けています。その前に同校は、医師とはどうあるべきかという“心構え”を育てようとしているのです。
白鳥朔弥(しらとりさくや)さん(3年)は「地域医療に携わるのが夢。夢に近づくなら勉強もつらいとは思わない。人の命を救う喜びを仲間と分かち合いたい」、堀千寧(ほりゆきね)さん(同)は「iPS細胞を使った再生医療の研究をしたい。周りに同じ夢を抱く仲間がいるから、くじけそうになったときは励まし合える」と話してくれました。