茨城新聞 2018年7月6日(金)
小中151校にブロック塀不具合 茨城県内点検結果、ひび割れや傾き
大阪府北部地震によるブロック塀の倒壊で高槻市の小4女児が犠牲となった事故を受け、茨城県は5日、県内の公立学校と県有施設のブロック塀などの安全点検結果を発表した。小中学校では全体の約22%に当たる151校の計212カ所で、ひび割れや傾きなどを含む不具合が見つかった。このうち172カ所は、「控え壁」と呼ばれる補強材がないなど、建築基準法に不適合だった。学校以外の県有施設では、国土交通省通知のチェックポイントに基づき点検し、36施設の計46カ所で不適合があった。
県は今後、県立学校と県有施設のブロック塀について内部点検を実施し、必要なら年内に撤去や改修を行う。市町村立学校や私立学校については、各自治体や学校法人に速やかな対応を要請する。
調査は、県と県教委、市町村が実施。塀の高さや厚さ、控え壁の有無や間隔、ひび割れや破損、傾斜の有無など、建築基準法に基づく国交省の判定基準5項目について、学校職員や施設を管理する職員らが目視と触診、計測して点検した。
幼稚園は140校のうち12校の計17カ所で、ひび割れや傾きなどを含む不具合が見つかり、建築基準法上の不適合も12カ所あった。
小学校は105校の計140カ所、中学校は46校の計72カ所で、それぞれ不具合が確認された。
高校は96校のうち約63%の60校で計115カ所の不具合があり、97カ所が不適合だった。特別支援学校は23校中6校で計11カ所の不具合が見つかった。
学校以外の県有施設で不具合や不適合が確認されたのは、弘道館(水戸市)、県民文化センター(同)、こころの医療センター(笠間市)、取手競輪場(取手市)など。
県によると、不具合は控え壁に関する問題が多く、設置されていなかったり設置間隔が空き過ぎていたりと、現行の建築基準法に適合しない事例が多かった。点検対象は1981年の同法改正以前の建築物が多いという。