夏休み明け、本で命守れ 取手図書館 「こころのお薬」100冊
茨城新聞 20180831
命や心を考える幅広い分野の本が並ぶ取手図書館の特別展示=取手市取手命や心を考える幅広い分野の本が並ぶ取手図書館の特別展示=取手市取手
子どもの自殺が増える夏休み明けに合わせ、取手市取手の取手図書館で、特別展示「効き目ほんわか こころのお薬100冊」が開かれている。悩みや疲れを抱える人に本で気分転換してもらう狙い。読むとほっとする絵本や生き方のヒントをつづった本など、命や心を考える約100冊を紹介している。
展示では、本を処方箋に見立て、読むと得られる「効能」ごとに、(1)心のケア(2)リラックス(3)自分さがし(4)他者を知る-の4テーマで紹介している。童謡詩集や人生訓のほか、うつ病の症状や治療法を解説する医学の本など、司書が幅広く選定した。
同館は、夏休み明けは精神的に不安定な時期といわれることから、特別展示を企画。自殺総合対策推進センター(東京)の調査では、2006〜15年度の10年間で、全国の18歳以下の自殺者数は8月下旬が急増してピークとなり、9月上旬もそれに次ぐ多さ。
同館の大手勉志館長は、「子どもだけでなく大人も長期休暇明けは(気分が)沈みがちで、ストレスをためやすい。不安定な時期に、気持ちを楽にしてもらうことができれば」と話す。
同館は月曜休館だが、「学校に行きたくない子どもの受け皿になれれば」(大手館長)と、始業式の9月3日と自殺予防週間の10日は臨時開館する。
本は全て貸し出し可能。一覧は図書館ホームページでも確認できる。
展示では、電話やファクス、メールで24時間受け付ける子ども専用相談機関「子どもホットライン」や、無料通信アプリLINE(ライン)で相談できる「よりそいチャット」など相談機関の連絡先も紹介している。
同市内では、同館のほか、ふじしろ図書館(同市藤代)と戸頭公民館図書室(同市戸頭)でも同様の展示を開催。いずれも10月30日まで