30分でコロナ感染確認 新検査法

30分でコロナ感染確認 技師・専用機器不要 日大・東京医大が新検査法

毎日新聞2020年7月9日

 日本大と東京医大は8日、新型コロナウイルスの感染を約30分で確認できる新しい検査法を開発したと発表した。PCR検査と同じくらい高精度だが、技師や専用の検出機器が不要で、目視で容易に判定できる。塩野義製薬と共同で実用化を目指す。

 新たな検査法は「SATIC(サティック)法」と呼ばれ、唾液や喉の奥の粘液などの検体を95度で2分間加熱した後、試薬を入れて37度で20~25分間加熱して判定する。検体の中にウイルスのRNA(リボ核酸)が含まれていると、試薬中の微粒子が集まって塊になるほか、試薬の色が茶色から透明に変わるため、感染の有無が一目で分かるのが特徴だ。

 日本大などによると、唾液や鼻水など100以上の検体について、SATIC法をPCR検査と比べたところ、結果が全て一致した。PCR検査は、検体を検査機関に運び専用の機器で分析するため結果までに約4時間かかる。一方、SATIC法は、加熱用の簡単な装置があれば臨床現場で検査ができ、迅速な診断が可能だ。抗原検査キットも短時間で調べられる検査法として実用化されているが、開発したチームの桑原正靖・日本大教授(分析化学)は「精度はSATIC法が勝る」と評価している。

 塩野義製薬は、日本大などと業務提携して実用化に取り組んでおり、「クリニックや検疫などでの利用が考えられる」としている。

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