「小さな家」担ぎ全国行脚 スケッチ旅行の25歳 朝日新聞20140510
自作の「小さな家」をカタツムリのように担いで全国行脚をしているアーティストがいる。
東日本大震災を機に、家を基盤にする暮らしについて考察する旅で、いま県内を行脚中。
1年後、旅先で描いた民家や集合住宅のスケッチ画と、テント代わりの「小さな家」を展示する作品展を開く計画だ。
このアーティストは、武蔵野美大建築学科を2011年に卒業した村上慧(さとし)さん(25)。
仲間とアトリエにする賃貸物件を東京都台東区にやっと見つけ、契約が済んだ矢先に東日本大震災が発生した。
「東京も危ないのではないか」「福島第一原発事故に伴う放射性物質の影響も心配」「逃げた方がいいのではないか」
そんな思いが駆け巡ったが、契約を交わしたばかり。動くに動けなかった。
このときから、家や住所を基盤にした「社会」のあり方や暮らしに疑問を感じ始めた。
今回、自身と一緒に移動する「小さな家」を2カ月かけて製作し、4月5日に東京を旅立った。
夜露をしのぐのは「家」。だが「家」は寺の境内や民家の庭先などに旅の目的を説明して置かせてもらう。
埼玉県新座市を歩いていた今月初め、見ず知らずの人から呼び止められた。
銅版画の作家だった。
自宅マンションの敷地に「家」を置かせてくれただけでなく、取手市の知人に「茨城を通るから面倒を見てやって」と連絡もしてくれた。
思いもよらぬ「お世話の輪」も広がっている。
10日朝、取手市を出発し、知り合いのいる常陸太田市などを通って
岩手、青森と太平洋沿いに北上し、寒くなる前に日本海沿いを回って京都、大阪、九州へと南下する予定。
ゴールは来春、東京だ。
作品展では、各地で描きためた白黒のペン画と、白い壁と黒い輪郭線を強調した長さ120センチ、幅90センチの「小さな家」を展示する。
村上さんは「家に縛られない暮らし方について自分なりの考えを模索したい。結論がでるかどうか分からない。
1年後、作品を通して発表したい」と話している。
村上さんが旅先で描いたスケッチは、村上さんのホームページで見ることができる。
^ ^*
背中に背負える家は10kgほどもあるそうです。
これでzzzできるんですね。
HPで見てみてね!