取手二中の「被爆柿の木2世」植樹10周年

「改めて平和誓いたい」 中学の「被爆柿の木2世」植樹10周年 産経新聞20140927

長崎に投下された原爆で被爆した柿の木の子孫「被爆柿の木2世」が植えられている取手市寺田の市立取手二中(菊地孝二校長)は、植樹から10周年を迎えることを記念して、11月に式典を開催する。柿の木は今では多くの実を付けるほどに成長し、菊地校長は「柿の木のそばで改めて平和を誓いたい」と話している。

被爆柿の木2世は、昭和20年に長崎市に投下された原爆で被爆しながらも、奇跡的に生き残った柿の木から取った種を育てた木。茨城県出身で、長崎市在住の樹木医、海老沼正幸さんが被爆した柿の木を回復させた。海老沼さんは、長崎を訪れた子供たちに苗木を「平和の象徴」として配布する活動を続けており、現在、国内をはじめ欧米など世界20カ国の136カ所に植樹されているという。

取手二中では平成16年に、学校創立50周年の記念事業として1・5メートルほどの2本を譲り受け、校庭に植樹。1本は枯れそうになったが、市内の園芸業者が自宅に持ち帰り、3年かけてよみがえらせて同中に近い市立寺原小に植樹された。

取手二中の被爆柿の木2世は現在、約5メートルに成長。植樹3年目から実を付けるようになり、今年もたくさんの実がなった。海老沼さんの活動や取手二中で柿の木を植樹した様子の写真は、中学校の道徳の教科書に掲載されている。

11月28日に開催される記念式典は生徒が中心となって企画し、生徒会代表が平和の誓いを行うほか、被爆柿の木2世を世界中に植樹する活動を支援する「『時の蘇生』柿の木プロジェクト」を立ち上げた守谷市在住の現代美術家、宮島達男さんの講演会などを行うことにしている。

記念式典に先立ち、生徒が平和についての自分の思いを作文につづるほか、柿の木のそばに立てるプレートの作製も行う。

植樹当時、取手二中PTA会長で今回の記念式典開催にも尽力した貫井徹元市議は「命と平和の大切さを柿の木を通して知ってもらいたい」と話している。

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