展覧会 植物から成分抽出の絵の具で描いた16点 9色の色素標本も展示
毎日新聞 20141106
植物の色素成分から作った“絵の具”で描いた展覧会が、
取手市高須の芸術活動施設「TAKASU HOUSE(高須ハウス)」で行われている。
エンジュやアカネなどから黄、赤など9色の色素を抽出し、ニカワや樹脂を混ぜて絵の具を製造。
染織家の岡博美さん(津市)が和紙に描いた作品など計16点を展示している。
絵の具作りは2年前、東京芸術大革新的芸術都市研究アクテビィティーディレクターの岩間賢さんが発案。
同大油画技法材料第2研究室の秋本貴透(たかゆき)准教授らと共同研究している。
植物を煮て、抽出した色素の沈殿物を乾燥・粉末化する複雑な工程に挑んでいる。
今回の展覧会で使用した絵の具は試作品で、数年後の完成を目指している。
岩間さんは「耐光性や強度などの研究を進めている」と説明。
岡さんは「染織では植物をペースト状にする技術はあったが、絵の具は新しい展開。可能性は大きい」と話している。
展覧会では作品のほか、9色の色素成分の標本も展示。
16日までの金土日曜日に開館。問い合わせは高須ハウス(070・5363・7674)。