毎日新聞 20141122 東京夕刊
民意どこへ 2014衆院選 想定外解散、
茨城・稲敷ではトリプル選 選管、人足りない 倉庫探し投票箱確保
師走を目前にした「想定外」の衆院解散を受け、各地の選挙管理委員会が対応に追われている。
茨城県では、衆院選投開票日の12月14日に県議選が行われるうえ、
大子(だいご)町長選や笠間、稲敷、坂東市では市議選とも重なる「トリプル選」となり、
人手や資材の確保に必死だ。前回衆院選から大型選挙が続く東京都選挙管理委員会は
土曜日の22日に会議を招集し、準備を本格化させた。
衆院選、県議選、市議選が同時に行われる茨城県稲敷市では
投票箱124箱が必要となり、在庫の92箱では足りない事態になった。
このため、市選管は県議選が無投票になるとみられる近隣自治体に借用を打診する一方、
合併した旧東町庁舎(現稲敷市東庁舎)の倉庫を探索。旧町時代に使った35箱を見つけ出した。
市選管の吉岡宏彰さん(32)は「一番大事な投票箱が確保でき、本当によかった」と胸をなで下ろす。
投開票日当日は、当初予定の職員250人に加え、保育士ら70人も駆り出す方針。
また、3選挙の公示日・告示日はすべてずれているため、
期日前投票の期間も異なる。
市選管は広報誌に投票に関する説明書を折り込んで市民に配り、周知徹底を図る考えだ。
県政史上初の衆院選、県議選のダブル選になった県選管は
首相の解散表明翌日の19日に臨時会議を開き、対応を協議した。
両選挙を単独で開催した場合、それぞれ13億円前後の経費が必要だが、
ダブル選の場合、約3億円減るとみられる。
「経費削減をプラスと考え、とにかくやるしかない」。
担当者には悲壮感も漂う。