スザニ 魅力感じて 取手松陽高・蛯名美咲さん手縫い
きょうまで県つくば美術館で展示
毎日新聞 20151220
県立取手松陽高(取手市小文間)の美術科3年、蛯名美咲さん(18)=ひたちなか市=が、中央アジアの刺しゅう布「スザニ」を制作した。手縫いは現地でも珍しく、カザフスタンの国営放送記者から取材を受けた。県つくば美術館(つくば市吾妻2)で20日まで開かれている同校美術科の展覧会に出品している。
蛯名さんは、同国のフィギュアスケート選手で、2014年のソチ五輪男子銅メダリスト、デニス・テン選手の大ファン。それをきっかけに、中央アジアの美術にも関心を持つようになり、部屋に飾り付けるスザニの存在を知った。
出品したスザニは縦約160センチ、横約80センチで、中央部にテン選手をイメージした刺しゅうをあしらっている。制作期間は3カ月間の約700時間で、最後の2週間は睡眠を削って仕上げたという。
知人づてに作品を聞きつけた国営放送の日本特派員が今月17日に取材。ニュースサイトで、蛯名さんの顔写真を含めて作品を紹介したところ、「美しい」「素晴らしい」などの反響がインターネット上で相次いでいるという。
来年には同国に短期留学する予定の蛯名さん。「機械化が進み、現地でも生産が少なくなっている手縫いのスザニの魅力を感じてもらいたい」と来場を呼びかけている。午前9時半〜午後3時。入場無料。