取手定住促進支援
市・常陽銀・支援機構が全国初連携 新築や改修に補助金 /茨城
毎日新聞2016年6月7日
首都圏などから取手市への定住を促すため同市、常陽銀行と一般社団法人「移住・住みかえ支援機構」(東京都)は6日、3者連携の支援策を発表した。新築、中古住宅購入、賃貸や空き家の改修について市が補助金制度を新設。同機構によると、機構、金融機関と市町村補助を組み合わせた官民の3者連携は全国で初めて。
取手は東京駅から40キロの通勤圏。常陽銀によると、同じ40キロ圏の神奈川県藤沢市と比べて宅地価格が格段に安い。例えば家を新築して子育てしながら通勤し、のちに親の介護などの事情で家を手放す場合には、機構が資産価値に応じて一定額の家賃を保証する。
市内のシニア世帯が戸建てを貸す場合、建物本体の改修は機構が費用を立て替えて発注、内部は借り手がリフォームする「DIY型賃貸」(機構)の仕組みと市の補助を合わせる。借り手には市が年齢や面積など条件付きの家賃補助(月額上限1万円、3年間)で支援する。機構の大垣尚司代表理事(立命館大教授)は「若い世代が例えば4LDKの中古を新品にして豊かに住んでほしい。取手は日本のパイロットケース(先導事例)になる」と語った。
常陽銀は今回の連携に沿ったローンの取り扱いを7日に始める。宮沢恵常務執行役員は「若い世代が転入して地域の活力が高まることを期待したい」と述べた。藤井信吾市長は「取手は東京に近く、自然に恵まれ、環境は備わっている。市の支援を上乗せして市内への定住を促進したい」と力説する。「とりで住ま入る支援プラン」と銘打った支援制度のリーフレットを作製した。問い合わせは市都市計画課(0297・74・2141)。